研究課題/領域番号 |
21K16111
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研究種目 |
若手研究
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配分区分 | 基金 |
審査区分 |
小区分53030:呼吸器内科学関連
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研究機関 | 東京大学 |
研究代表者 |
宮下 直也 東京大学, 医学部附属病院, 助教 (50843041)
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研究期間 (年度) |
2021-04-01 – 2022-03-31
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研究課題ステータス |
完了 (2021年度)
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配分額 *注記 |
4,550千円 (直接経費: 3,500千円、間接経費: 1,050千円)
2022年度: 1,820千円 (直接経費: 1,400千円、間接経費: 420千円)
2021年度: 2,730千円 (直接経費: 2,100千円、間接経費: 630千円)
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キーワード | ASCL1 / RNA結合蛋白 / miRNA / 肺癌 |
研究開始時の研究の概要 |
ASCL1は肺神経内分泌細胞分化のマスター転写因子であり、肺小細胞癌や肺腺癌の一部で発現している。申請者はASCL1が腫瘍形成を促進することや、ASCL1を発現する肺腺癌のサブグループでは腫瘍免疫応答が乏しいことを発見したが、そのメカニズムについては不明な点が残されている。本研究では、ASCL1により制御される遺伝子やmicroRNAの全ゲノムレベルでの発現解析を通じて、肺癌の病態形成におけるASCL1の役割を解明する。とくにlong non-coding RNAやRNA結合蛋白の機能的役割について着目し、腫瘍形成や腫瘍免疫応答との関連性を調べる。さらにヒト肺癌組織検体の解析により臨床的意義を検証する。
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研究実績の概要 |
ASCL1は肺神経内分泌細胞分化のマスター転写因子であり、肺小細胞癌や肺腺癌の一部で発現している。申請者はASCL1が腫瘍形成を促進することや、ASCL1を発現する肺腺癌のサブグループでは腫瘍免疫応答が乏しいことを発見したが、そのメカニズムについては不明な点が残されている。 本研究では、まず、ASCL1陽性肺小細胞がんまたは線がん細胞株において、ASCL1により制御される遺伝子やmicroRNAの全ゲノムレベルでの発現解析を行った。その結果、ASCL1はmiR124-3pやmiR455といった特定のmiRNAの発現を正または負に制御していることを見出した。また、これらmiRNAがエンハンサーとして機能していることを見出した。次に、肺癌の病態形成におけるASCL1の役割を解明するために、これらmiRNAが発現を制御する遺伝子、とくにRNA結合蛋白の機能的役割の関係について着目した。肺腫瘍形成や腫瘍免疫応答との関連性を調べることを目的として、肺癌細胞株にmiRNA mimicあるいはsiRNAのトランスフェクションを行い、トランスクリプトーム解析を行った。その結果、肺癌細胞株VMRCにおいて、ASCL1はmiR124-3pの発現を介してRNA結合蛋白であるZFP36L1の発現を制御することを見出した。加えてASCL1陽性肺癌においてはmiR455-3pの発現は低下しており、miR455-3pがNFIBやNR2F1の発現を制御していることを発見した。 さらにヒト肺癌組織検体のTissue microarray 解析により、ヒトでも同様の結果が得られた。 以上の結果は複数の英語論文、あるいは学会発表の形で報告済、あるいは今後報告予定である。
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