研究課題/領域番号 |
21K16121
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研究種目 |
若手研究
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配分区分 | 基金 |
審査区分 |
小区分53030:呼吸器内科学関連
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研究機関 | 自治医科大学 |
研究代表者 |
藤田 一喬 自治医科大学, 医学部, 講師 (20887848)
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研究期間 (年度) |
2021-04-01 – 2023-03-31
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研究課題ステータス |
完了 (2022年度)
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配分額 *注記 |
4,550千円 (直接経費: 3,500千円、間接経費: 1,050千円)
2023年度: 1,690千円 (直接経費: 1,300千円、間接経費: 390千円)
2022年度: 1,430千円 (直接経費: 1,100千円、間接経費: 330千円)
2021年度: 1,430千円 (直接経費: 1,100千円、間接経費: 330千円)
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キーワード | 迅速高感度PCR法 / NGS法 / 血漿cfDNA / 肺癌 / PNA-LNA dual PCR(PLDP) / 迅速高感度Real-time PCR法 / 細胞検体 |
研究開始時の研究の概要 |
申請者は,微量な遺伝子変異を含む検体からの迅速高感度検出法PNA-LNA dual PCR(PLDP)法を開発した。鋳型DNAに対しPLDP法とNGS法を行った結果を比較し,また,PLDP増幅産物をNGS法で解析することで,両者の正確な検出率を明らかとし,安価なPLDPと高価なNGSの検出力に遜色がないことを証明する。これにより,比較的安価に,低侵襲な検体を用いての迅速高感度の検査が可能となる。また,網羅的に血漿cell-free DNA(cfDNA)に対し,同様の解析を行うことで,肺癌の病期ごとの検出率を明らかにし,肺癌遺伝子変異の検査検体としての血漿cfDNAの位置づけを明確化する。
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研究実績の概要 |
2022年4月以降,PNA-LNA dual PCR法(PLDP法)でのDriver mutationの確認依頼があり,14症例より細胞検体/血漿cfDNAを用いて検索を行った。4症例よりEGFR Exon19 deletion (Ex19_del),1例よりEGFR Exon21 L858R (L858R)の検出があった。血漿cfDNAからは,4症例中2症例からEx19_delの検出を認めた(L858Rは,cfDNAからは検出なし)。 血漿cfDNAを用いたPLDP法とMINtS法(Mutation Investigator using the Next-era Sequencer: MINtS)の比較では,Ex19_delでは,PLDP法での検出のあった8症例中8症例においてMINtS法で検出され,L858Rでは5症例中3症例(1症例では検出感度以下での検出),KRAS G12Cでは2症例中1症例で検出された。MINtS法は検出限界アレル頻度は0.5%であるので,PLDP法はMINtS法より高い検出感度を確認した。ただし,PLDP法は特定のDNA領域遺伝子変異を対象とし高感度化した手法であり,MINtS法はDNA/RNA領域の多遺伝子変異を包括的に検出する手法であるので,厳密には検査目的が異なり,また,この差は一連の設計・スキームから推測される範囲である。 また,細胞検体から抽出した核酸と,PLDP法の1st amplicon(PNAにより変異のない遺伝子の増幅が抑制され,変異のある遺伝子変異のみ増幅されたPCR産物)を精製したものを,NGS-C法で解析した比較を,前回に続き37症例においておこなった。もともとのDNAの鋳型に数%,または,より微小の遺伝子変異しか含まれない場合は,PLDP法でもwild typeの増幅の抑制や遺伝子変異の増幅が弱いことが示唆された。
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