研究課題/領域番号 |
21K16137
|
研究種目 |
若手研究
|
配分区分 | 基金 |
審査区分 |
小区分53030:呼吸器内科学関連
|
研究機関 | 東京医科歯科大学 |
研究代表者 |
柴田 翔 東京医科歯科大学, 大学院医歯学総合研究科, 助教 (20897780)
|
研究期間 (年度) |
2021-04-01 – 2024-03-31
|
研究課題ステータス |
完了 (2023年度)
|
配分額 *注記 |
4,550千円 (直接経費: 3,500千円、間接経費: 1,050千円)
2023年度: 1,560千円 (直接経費: 1,200千円、間接経費: 360千円)
2022年度: 1,300千円 (直接経費: 1,000千円、間接経費: 300千円)
2021年度: 1,690千円 (直接経費: 1,300千円、間接経費: 390千円)
|
キーワード | 好塩基球 / COPD / 肺気腫 / IL-3 / 間質マクロファージ / 慢性閉塞性肺疾患 |
研究開始時の研究の概要 |
COPDはアレルギー性の疾患とは考えられていなかったが、我々の過去の研究でアレルギー性喘息と同様に好塩基球、IL-4が病態に関わっていることが示唆された。抗IL-4・抗IL-13受容体抗体薬デュピルマブは重症アレルギー性喘息患者に適応があり、増悪の抑制が報告されている。本研究にてCOPDの病態にIL-4が関与することが明らかになれば、有望な治療薬となる可能性がある。抗IL-5受容体抗体薬ベンラリズマブは重症アレルギー性喘息患者に適応があり、投与にて末梢血好塩基球が減少することが報告されている。本研究にてCOPDの病態に好塩基球が関与することが明らかになれば、有望な治療薬となる可能性がある。
|
研究成果の概要 |
今回研究代表者らはIL-3、タバコ煙抽出物に着目し、エラスターゼ誘導モデル、骨髄由来好塩基球を用いて解析を行った。野生型マウスと比較してIL-3欠損マウスでは、エラスターゼ点鼻投与5日後の好塩基球の肺への浸潤が抑制され、肺気腫形成をほとんど認めなかった。また、in vitroの解析において、エラスターゼもしくはCSEの刺激による好塩基球のIL-4分泌に、培養上清中のIL-3の存在が重要であることが分かった。CSEは豚膵臓エラスターゼ、パパインと同様にIL-3の存在下で好塩基球を活性化させることが明らかとなった。
|
研究成果の学術的意義や社会的意義 |
慢性閉塞性肺疾患はタバコ煙を主とする有害物質を長期に吸入曝露することで生じた肺の炎症性疾患であり、呼吸機能検査で正常に復すことのない気流制限を特徴とする。研究代表者らはエラスターゼ誘発モデルにおいて間質マクロファージの分泌するMMP-12が気腫形成に関与することを報告した。また、好塩基球由来IL-4が単球に作用しMMP-12産生間質マクロファージへの分化を誘導することも明らかにした。しかしながら、好塩基球の肺への浸潤、活性化を促す因子についてはこれまでに明らかではなかった。今回新たに好塩基球の浸潤、肺気腫形成にIL-3が重要であることが分かった。
|