研究課題/領域番号 |
21K16140
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研究種目 |
若手研究
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配分区分 | 基金 |
審査区分 |
小区分53030:呼吸器内科学関連
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研究機関 | 名古屋大学 |
研究代表者 |
辻 貴宏 名古屋大学, 医学系研究科, 学振特別研究員(PD) (50850046)
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研究期間 (年度) |
2021-04-01 – 2024-03-31
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研究課題ステータス |
完了 (2023年度)
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配分額 *注記 |
4,550千円 (直接経費: 3,500千円、間接経費: 1,050千円)
2023年度: 1,170千円 (直接経費: 900千円、間接経費: 270千円)
2022年度: 1,560千円 (直接経費: 1,200千円、間接経費: 360千円)
2021年度: 1,820千円 (直接経費: 1,400千円、間接経費: 420千円)
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キーワード | 転移性脳腫瘍 / ミクログリア / 微小環境 / 腫瘍免疫 / Don't eat meシグナル / 生体イメージング / 治療開発 / 転移性脳腫瘍モデル |
研究開始時の研究の概要 |
これまで申請者は、肺癌(転移性脳腫瘍)と脳内自然免疫細胞を2光子顕微鏡を用いて生体内で可視化し、肺癌細胞が脳内免疫系を活性化することを明らかにした。一方で背景にある免疫―癌細胞間相互作用や分子機構は不明のままである。そこで、本研究は生体で可視化免疫応答を担う分子基盤同定する系を構築することを目的とする。また、体循環系免疫細胞と血管を時空間的に可視化、定量解析することで多細胞解析に発展させる。また、生体内で癌細胞を標識する技術を確立することで、時空間的情報と分子情報を統合する手法の開発を目指す。
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研究成果の概要 |
転移性脳腫瘍は予後不良であり、患者の生活の質を損なうため、その病態解明が急務である。申請者らは、2光子顕微鏡を用いて肺癌(転移性脳腫瘍)と脳内自然免疫細胞を生体内で可視化し、肺癌細胞が脳内免疫系を活性化すること、及び癌細胞がその生着・消失の運命決定時に微小環境と相互作用していることを明らかにした。さらに、生着する癌細胞の時系列での発現スクリーニングを行い、癌細胞が微小環境による排除から逃れる因子を特定した。その結果、“Don’t eat me”シグナルのうち数因子の発現が癌の生着率を高め、転移発生段階における運命決定因子の一つとなることを見出した。
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研究成果の学術的意義や社会的意義 |
①領域横断性:肺癌転移性脳腫瘍への対応は呼吸器内科領域だが、疾患は脳神経領域に及び、専門とする研究者は少なかった。この両分野にまたがる、肺癌から転移性脳腫瘍への移行という過程を詳細に観察・記述し、分子機構の一部を明らかにした点で学術的意義がたかい。②転移性脳腫瘍は予後不良の疾患であり、いまだ特異的な治療法・予防法はない。申請者らの発見は、転移性脳腫瘍の発生段階に着目し、その進展・展開を防ぐ分子機構をひとつ見出しているため、これらの治療応用の可能性があり、社会的意義が高い。
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