研究課題/領域番号 |
21K16144
|
研究種目 |
若手研究
|
配分区分 | 基金 |
審査区分 |
小区分53030:呼吸器内科学関連
|
研究機関 | 札幌医科大学 |
研究代表者 |
上原 康昭 札幌医科大学, 医学部, 助教 (40882907)
|
研究期間 (年度) |
2021-04-01 – 2023-03-31
|
研究課題ステータス |
完了 (2022年度)
|
配分額 *注記 |
4,680千円 (直接経費: 3,600千円、間接経費: 1,080千円)
2022年度: 2,080千円 (直接経費: 1,600千円、間接経費: 480千円)
2021年度: 2,600千円 (直接経費: 2,000千円、間接経費: 600千円)
|
キーワード | 肺胞微石症 / Npt2b / RANKL / 破骨細胞 / OPG / RANK / マクロファージ / オステオポンチン |
研究開始時の研究の概要 |
肺胞微石症は、SLC34A2遺伝子の欠失により肺胞上皮のNpt2bリン酸トランスポーターが欠損することで肺胞内にリン酸塩の蓄積を生じ、不溶性の微石が形成される常染色体劣性肺疾患である。申請者はこれまでに肺胞微石症モデルマウスの開発に携わり、リン酸除去食が微石を減少させることを報告したが、微石のクリアランスのメカニズムは明らかでなく本質的な治療法の開発には未だ至っていない。 本申請研究では、肺胞微石症における破骨細胞様多核巨細胞の機能の解析を行うことで、肺胞微石症の病態を分子・細胞レベルで解明し、破骨細胞様多核巨細胞の機能を介した新しい治療の開発に挑戦する。
|
研究成果の概要 |
肺胞微石症患者肺のシングルセルRNA-seq解析では、肺胞単球に破骨細胞関連遺伝子の発現上昇認められた。微石に対する宿主応答において肺破骨細胞様細胞が果たす役割を検討した。微石の除去の機序を調べる中で、Npt2bが代替リン酸トランスポーター活性を通じて肺のリン酸ホメオスタシスを調節すること、微石がRANKL依存性に破骨細胞様細胞の分化と活性化を誘導すること、高リン酸食がOPGの発現を通じそれを抑制することが明らかになった。本研究により、Npt2bと肺破骨細胞様細胞が肺の恒常性維持に重要な役割を果たすことが明らかになり、肺疾患の治療における新たな治療標的の可能性が示唆された。
|
研究成果の学術的意義や社会的意義 |
本研究では肺胞微石症における破骨細胞様細胞の解析を通じて、肺における破骨細胞様多核巨細胞の分化の機序や機能、さらに肺胞微石症の病態や微石のクリアランスへの影響を解明した。これらの研究結果は破骨細胞様多核巨細胞の機能に基づいた肺胞微石症の新たな治療開発の糸口となると考えられる。また珪肺やアスベスト肺、サルコイドーシス肺の肉芽腫病変などでも多核巨細胞は報告されておりそれらの呼吸器疾患の病態の解明や治療法の開発への応用も期待できる。
|