研究課題
若手研究
重症喘息は喘息診療における重要な課題であり、その病態に気道粘液の過分泌が示唆されるが、詳細は不明であり、有効性の確立された治療法もない。本研究では、重症喘息例を対象とした横断的臨床研究を行い、気道粘液の主成分である糖蛋白質ムチン(MUC5AC及びMUC5B)発現と喘息病態及び喘息コントロール状態との関連を明らかにすると共に、ムチンを標的とする新たな重症喘息治療を確立するための基盤をつくる。
申請者らは、名古屋市立大学病院で進行中の前向き観察臨床研究「重症喘息における抗ヒトIL-4受容体α鎖抗体(IL-4およびIL-13選択的阻害薬)の有効性に関する研究(UMIN000038669)」に関するデータを集積し(31例集積(目標症例数30例中))、重症喘息における気道過分泌の意義と本生物学的製剤が気道過分泌の指標である「咳および痰の質問票スコア」を有意に改善することを確認し、現在論文作成に努めている。この先行研究結果を踏まえ、本研究の目的である誘発喀痰中ムチン(MUC5ACおよびMUC5B)の重症喘息病態および喘息コントロールへの寄与を明らかにすべく、名古屋市立大学病院で進行中の横断的臨床研究「重症喘息の気道過分泌病態における誘発喀痰中ムチンの臨床的意義に関する研究(UMIN000050456)」に関するデータを集積した(50例集積(目標症例数50例中))。現在ムチンの測定とデータ解析に努めている。
3: やや遅れている
COVID-19禍で喘息受診患者数が減少し、誘発喀痰の検査控えも重なり、症例およびデータの集積に時間を要したことが、本研究の進捗の遅れに寄与した。
集積した症例の誘発喀痰中ムチン濃度(MUC5ACおよびMUC5B)を測定し、重症喘息病態および喘息コントロールへの寄与を解析し、論文作成に努める。
すべて 2023 2022
すべて 雑誌論文 (2件) (うち国際共著 2件、 査読あり 2件、 オープンアクセス 2件) 学会発表 (1件)
Journal of Asthma and Allergy
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Allergology International
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