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集合管オルガノイドを用いた多発性嚢胞腎の治療法開発

研究課題

研究課題/領域番号 21K16165
研究種目

若手研究

配分区分基金
審査区分 小区分53040:腎臓内科学関連
研究機関熊本大学

研究代表者

倉岡 将平  熊本大学, 病院, 助教 (80774207)

研究期間 (年度) 2025-01-21 – 2027-03-31
研究課題ステータス 交付 (2025年度)
配分額 *注記
4,680千円 (直接経費: 3,600千円、間接経費: 1,080千円)
2022年度: 2,210千円 (直接経費: 1,700千円、間接経費: 510千円)
2021年度: 2,470千円 (直接経費: 1,900千円、間接経費: 570千円)
キーワード多嚢胞腎 / 腎臓オルガノイド / 集合管オルガノイド / cAMPシグナル / 多発性嚢胞腎
研究開始時の研究の概要

本研究は、ヒトiPS細胞から誘導された集合管オルガノイドの成熟法を開発し、mTOR阻害薬等による正常Polycystin-1の発現増強がADPKDの新規治療法となり得ることの証明を目指す。この成果は、ADPKDの病態に対する理解を深め根本的な治療法を提供するだけでなく、集合管病変に対する治療法開発のための基盤となる集合管モデルとなることも期待される。

研究実績の概要

1)集合管オルガイノドの成熟法を開発するため以下の条件を検討した。
①GDNF:従来の誘導法ではオルガイノイドのTip(分岐構造)を維持するためにGDNFを継続していたが、集合管の成熟自体には抑制的に働く可能性が考えられた。そこで、ある程度の分岐が進んだところで培地からGDNFを除いたところ、集合管へと成熟するべきStalk構造が退縮した。この結果から集合管を成熟させるためにはGDNFを維持する必要性が示唆された。
②Aldosterone/Vasopressin:これまでの報告を基にAldosteroneおよびVasopressinを培地に添加したところ、形態学的な変化なかったものの、qPCRにて主細胞に特徴的なマーカーであるVasopressin受容体ならびに副細胞のマーカー遺伝子の発現が上昇することが分かった。
③Forskolin:博士課程における自身の研究において、cAMPの活性化剤であるForskolin投与は集合管オルガノイドのStalkを伸長させることを見出していた。そこで、Forskolin投与後にqPCRを実施したところ、集合管の成熟マーカーであるAQP2とVasopressin受容体の発現が著明に上昇し、Tipのマーカーが低下していた。この結果は、cAMPシグナルが形態学的な変化だけでなく、遺伝子発現のレベルで集合管の成熟に寄与している可能性が考えられた。
2)mTOR阻害薬によるPolycystin1発現増強効果を集合管オルガイノドを用いて検討した。PKD1のミスセンスヘテロ変異を持つiPS細胞から誘導したオルガノイドでWestern blottingをしたところ、成熟したPolycystin1の発現が低下している傾向はあったが、mTOR阻害薬による発現増強効果ははっきりしなかった。

現在までの達成度 (区分)
現在までの達成度 (区分)

3: やや遅れている

理由

研究開始当初は、集合管オルガノイド培養においてGDNFを完全に除くことが重要と仮説を立て、様々な成長因子を組み合わせながら条件検討を行ったが、結果としてGDNFを除いた条件ではオルガノイドとしての形態を保つことができなかった。
また、新型コロナ感染症流行による実験の制限も進捗に影響した。

今後の研究の推進方策

成熟法の開発については、ForskolinとAldosterone/Vasopressinを組み合わせながら最適な条件を検討していく。プロトコールが定まった後に、PKD1変異iPS細胞からも集合管オルガノイドを誘導し嚢胞の重症度(頻度、サイズ)を確認する。さらに、ヘテロ変異においても高頻度に嚢胞形成が誘導できることが確認されれば、新規治療薬候補を投与し嚢胞抑制効果を検討していく。

報告書

(1件)
  • 2021 実施状況報告書

URL: 

公開日: 2021-04-28   更新日: 2025-06-20  

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