研究課題/領域番号 |
21K16171
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研究種目 |
若手研究
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配分区分 | 基金 |
審査区分 |
小区分53040:腎臓内科学関連
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研究機関 | 昭和大学 |
研究代表者 |
鈴木 泰平 昭和大学, 医学部, 講師 (10749948)
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研究期間 (年度) |
2021-04-01 – 2023-03-31
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研究課題ステータス |
完了 (2022年度)
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配分額 *注記 |
4,680千円 (直接経費: 3,600千円、間接経費: 1,080千円)
2022年度: 3,120千円 (直接経費: 2,400千円、間接経費: 720千円)
2021年度: 1,560千円 (直接経費: 1,200千円、間接経費: 360千円)
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キーワード | ネフローゼ症候群 / 脂質異常症 / エボロクマブ / 巣状分節性糸球体硬化症 / PCSK9 / CD36 / NLRP3インフラマソーム / pyroptosis / 糸球体腎炎 |
研究開始時の研究の概要 |
糸球体腎炎・ネフローゼ症候群は重度の腎不全症に至る可能性のある難治性疾患群である。近年、糸球体腎炎・ネフローゼ症候群を有する患者の血中においてproprotein convertase subtilisin/kexin type 9(PCSK9)濃度が上昇することが明らかになった。しかしながら腎臓への影響は未知であり検討の余地がある。本研究はPCSK9が腎臓に与える障害作用とそのメカニズムを明らかにすることを目的とする。更にPCSK9モノクロナール抗体製剤であるエボロクマブを糸球体腎炎・ネフローゼ症候群動物モデルに投与し、効果を検討することで新たな治療戦略確立を目指す。
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研究成果の概要 |
エボロクマブは抗ヒトPCSK9モノクロナル抗体であり、現在難治性の脂質異常症に使用されているが、ネフローゼ症候群に合併する脂質異常症への効果は未知であった。我々はアドリアマイシンを使用し、マウスにネフローゼ症候群を誘導しエボロクマブによる治療効果を検討した。エボロクマブの投与により蛋白尿や脂質異常症は改善を認めた。治療メカニズムとしてCD36の制御を介したNLRP3インフラマソームやパイロトーシスの抑制が関与している可能性が示唆された。
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研究成果の学術的意義や社会的意義 |
ネフローゼ症候群は治療抵抗性である症例も散見され、有効で安全な治療法が求められている。エボロクマブは抗ヒトPCSK9モノクロナル抗体製剤であり、現在家族性高コレステロール血症やスタチンによる治療に抵抗性を示す脂質異常症に対し使用されている。ネフローゼ症候群は脂質異常症を高率に合併するがその治療の意義や治療法については一定の見解を得られていない。今回のマウスネフローゼモデルを用いた実験から、エボロクマブによるネフローゼ症候群改善効果が示された。ヒトネフローゼ症候群に対して同様の治療効果が見込めるかどうか今後更に検討が必要である。
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