研究課題/領域番号 |
21K16179
|
研究種目 |
若手研究
|
配分区分 | 基金 |
審査区分 |
小区分53040:腎臓内科学関連
|
研究機関 | 秋田大学 |
研究代表者 |
齋藤 雅也 秋田大学, 医学部附属病院, 助教 (00831215)
|
研究期間 (年度) |
2021-04-01 – 2025-03-31
|
研究課題ステータス |
交付 (2023年度)
|
配分額 *注記 |
4,550千円 (直接経費: 3,500千円、間接経費: 1,050千円)
2023年度: 780千円 (直接経費: 600千円、間接経費: 180千円)
2022年度: 1,950千円 (直接経費: 1,500千円、間接経費: 450千円)
2021年度: 1,820千円 (直接経費: 1,400千円、間接経費: 420千円)
|
キーワード | 好酸球性多発血管炎性肉芽腫症 / 好酸球性炎症 / 細胞外トラップ / 腎障害 |
研究開始時の研究の概要 |
好酸球性多発血管炎性肉芽腫症(EGPA)では、急速進行性糸球体腎炎の経過を呈し末期腎不全に至る症例も存在する。腎組織像は好酸球浸潤を伴う間質性腎炎や半月体形成性糸球体腎炎が多い。腎機能障害はEGPA患者死亡の独立した予後因子であり、腎はEGPAの重要な臓器合併症である。 一方、好酸球活性化に伴う非アポトーシス細胞死(ETosis)では、細胞外に放出される細胞内成分が組織傷害性を有するため、過剰な好酸球ETosisが様々なアレルギー性疾患の病態に関連していることが判明し注目されている。本研究では、EGPA腎障害に対する好酸球ETosisの寄与を解明し治療標的となり得るかを探る。
|
研究実績の概要 |
本研究は好酸球性多発血管炎性肉芽腫症(EGPA)の腎合併症での好酸球性炎症の寄与について検討し、治療標的となり得るかを探る。EGPAでは様々な臓器における好酸球性非アポトーシス死(ETosis)による臓器傷害性が明らかになってきており、また、最近ではEGPAの血栓病変の形成にETosisが関与していることが報告されている。その一方で、EGPAの腎障害におけるETosisの関与は未だ明らかとなっていない。 好酸球非アポトーシス細胞死(ETosis)のin vitro条件下での腎組織傷害作用を確認するための実験として、既報に則り活性化した好酸球とHuman kidney-2(HK-2)細胞とのインキュベーション実験を行い、データ解析中である。 腎での好酸球ETosisの局在を確認するため、EGPA患者腎組織の電子顕微鏡での解析ではパラフィン切片からの戻し電顕で施行したが、画像が荒く正確な評価が困難であったため、パラフィン切片でのETosis関連マーカーの免疫染色へ切り替えて検討している。いくつかの免疫染色で検討しているが、EGPA特有の染色結果であるかどうか、今後は好中球細胞外トラップ(NETs)が腎組織傷害の要因とされている顕微鏡的多発血管炎症例との比較を行う予定である。
|
現在までの達成度 (区分) |
現在までの達成度 (区分)
3: やや遅れている
理由
令和3年度は、腎組織における好酸球ETosisの局在評価のための電子顕微鏡評価を行ったがパラフィン組織からの戻し電顕では正確な評価は困難であったため、パラフィン切片での免疫染色へ切り替えることとしていた。いくつかの免疫染色を施行したが、EGPA特有の所見であるかどうかの確認として、好中球が腎組織傷害の主要因と判明している顕微鏡的多発血管炎との比較を行いたい。 研究計画の遅れとして研究代表者の院内業務量の増加(配置転換)やコロナウイルス感染症による予期しない業務の増加などがあった。この度、研究期間の1年延長を申請し了承を得た。最終年度となる次年度で確実に研究を遂行したい。
|
今後の研究の推進方策 |
令和3年度の好酸球ETosisの局在評価では電子顕微鏡検査での正確な評価が困難であったため、パラフィン切片での免疫染色へ変更した。いくつかの好酸球ETosisマーカーでの免疫染色は可能であった。今後はEGPA腎組織で得た免疫染色の結果が、EGPAで特有な所見であるかどうかの確認のため、顕微鏡的多発血管炎の腎病変での免疫染色を施行し、比較検討する予定である。
|