研究課題/領域番号 |
21K16181
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研究種目 |
若手研究
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配分区分 | 基金 |
審査区分 |
小区分53040:腎臓内科学関連
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研究機関 | 東京医科歯科大学 |
研究代表者 |
松浦 喜明 東京医科歯科大学, 大学院医歯学総合研究科, 非常勤講師 (90880518)
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研究期間 (年度) |
2021-04-01 – 2023-03-31
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研究課題ステータス |
完了 (2022年度)
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配分額 *注記 |
4,680千円 (直接経費: 3,600千円、間接経費: 1,080千円)
2022年度: 2,340千円 (直接経費: 1,800千円、間接経費: 540千円)
2021年度: 2,340千円 (直接経費: 1,800千円、間接経費: 540千円)
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キーワード | 慢性腎臓病 / 線維化 / 脂質 / PGD2 / Alox15 / 腎線維化 / 多価不飽和脂肪酸 |
研究開始時の研究の概要 |
本邦の慢性腎臓病(CKD)患者は増加傾向にあり、病態に直接アプローチする治療法の開発が喫緊の課題である。多価不飽和脂肪酸とその代謝物は慢性炎症を主体とする病態形成に関わるが、近年脂質メディエーターを網羅的に解析することで単独で機能を持ち病態に関わる脂肪酸の特定が可能になった。本研究ではCKD腎臓における脂質メディエーターの全体像を明らかにし、病態形成に関わる脂肪酸を明らかにしたい。腎組織の網羅的リピドミクスはこれまで報告がなく、CKDの新規治療開発に繋がる新たな発見が期待される。
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研究成果の概要 |
5/6 Nx腎ではcontrol腎と比較して,Alox15のmRNA 及びタンパク発現量共に増加していた。Alox15-/- CKDマウスは野生型CKDマウスよりもBUN及び血清Creが低値であり,良好な腎機能を示した.リピドミクスによって腎組織中の脂肪酸代謝物を網羅解析したところ,野生型CKD腎と比較してAlox15-/- CKD腎ではPGD2のみが有意に上昇していた.TGF-β1で刺激したNRK-52E細胞でPGD2はⅠ型コラーゲン及びαSMAの発現を有意に抑制した.以上の結果を、Clin Exp Nephrol誌.に報告した。
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研究成果の学術的意義や社会的意義 |
ALOX15の阻害またはPGD2の投与は,CKDの有望な治療標的となり得る. 本研究により,Alox15のmRNA及びタンパクが共にCKD 腎で増加し,Alox15-/- CKDマウスは野生型CKDマウスと比較して腎機能障害と線維化が抑制されることが明らかになった.さらに,Alox15-/- CKDマウスのCKD腎で増加した脂質代謝物であるPGD2は,近位尿細管培養細胞の上皮間葉転換と線維化を抑制した.Alox15の阻害またはPGD2の投与は,CKDおよび線維化の新規治療標的となる可能性がある.
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