研究課題/領域番号 |
21K16195
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研究種目 |
若手研究
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配分区分 | 基金 |
審査区分 |
小区分53040:腎臓内科学関連
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研究機関 | 昭和大学 |
研究代表者 |
佐藤 芳憲 昭和大学, 医学部, 講師 (80515312)
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研究期間 (年度) |
2021-04-01 – 2025-03-31
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研究課題ステータス |
交付 (2023年度)
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配分額 *注記 |
4,290千円 (直接経費: 3,300千円、間接経費: 990千円)
2024年度: 130千円 (直接経費: 100千円、間接経費: 30千円)
2023年度: 390千円 (直接経費: 300千円、間接経費: 90千円)
2022年度: 1,950千円 (直接経費: 1,500千円、間接経費: 450千円)
2021年度: 1,820千円 (直接経費: 1,400千円、間接経費: 420千円)
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キーワード | IgA腎症 / 家族性腎症 / WGS / 次世代シークエンス / アルポート症候群 |
研究開始時の研究の概要 |
IgA腎症は東アジアで非常に多く認められる代表的な慢性腎炎の一つです。その原因はわかっておりませんが、20-30年という長い経過を経て30-40%は腎不全へと至ります。家族性に発症することが報告されおり、何らかの遺伝が疑われますが、それを含めて不明なことも多くあります。私たちは家族歴があると約2倍、腎不全への進行が速いと考えていますが、その原因の一つとしてAlport症候群の合併を考えておりそれらの関与についてこの研究を通じて解明しようと思っています。
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研究実績の概要 |
2023年度は現在までに収取した孤発性IgA腎症から89検体を提出した。これは家族性が11-12%である2021年度の本研究の発表論文から設定した(100症例=87症例孤発性+11症例家族性)Sato, Y., Tsukaguchi, H., Higasa, K. et al. Positive renal familial history in IgA nephropathy is associated with worse renal outcomes: a single-center longitudinal study. BMC Nephrol 22, 230 (2021).
2023年はこの89検体をWGSに提出したが2検体がQCから除外されてしまい87検体でのWGSの結果を得た。ACMG(American College of Medical Genetics)のP/LP(Pathogenic/LikelyPathogenic)の検出、COL4A3/COL4A4/COL4A5は合計4検体であった。この4.1%は一般米国US患者での検出率の4.6%(76/1623)とほぼ同じであった(Journal of the American Society of Nephrology 34(12):p 2039-2050, December 2023. )。次に中国から孤発性の菲薄化したIgA腎症において、31.1%(38/122)に病原性が高いと推察されるCOL4A3/COL4A4/COL4A5の変異が検出されたとの報告がされた。当研究で評価可能な電子顕微鏡画像が得られたもので菲薄化が認められた31例について再評価を行って1/31と3.2%という結果であった。
上記より本国での孤発性IgA腎症とCOL4A3/COL4A4/COL4A5は関連が乏しい可能性が考えられた。
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現在までの達成度 (区分) |
現在までの達成度 (区分)
1: 当初の計画以上に進展している
理由
COL4A3/COL4A4/COL4A5以外の遺伝的関与について検討を行い追加の7症例をもって105症例を目標に論文投稿を準備している。補体制御遺伝子異常が高率に検出されており新薬のPathwayに関与している点は興味深い。
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今後の研究の推進方策 |
本研究は一定の見解を得た.さらなる遺伝的背景を追っていくことが求められる。また日本におけるIgA腎症患者にも原因不明の透析患者において米国の一般CKD患者ではほとんど認められないような補体制御遺伝子異常が変異が散見されたことは興味深い。IgA腎症にかぎらず様々な腎疾患において遺伝的な背景を観察し比較することが重要と考える。
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