研究課題/領域番号 |
21K16197
|
研究種目 |
若手研究
|
配分区分 | 基金 |
審査区分 |
小区分53040:腎臓内科学関連
|
研究機関 | 東京慈恵会医科大学 |
研究代表者 |
神崎 剛 東京慈恵会医科大学, 医学部, 助教 (00816473)
|
研究期間 (年度) |
2021-04-01 – 2026-03-31
|
研究課題ステータス |
交付 (2023年度)
|
配分額 *注記 |
4,680千円 (直接経費: 3,600千円、間接経費: 1,080千円)
2025年度: 520千円 (直接経費: 400千円、間接経費: 120千円)
2024年度: 1,040千円 (直接経費: 800千円、間接経費: 240千円)
2023年度: 910千円 (直接経費: 700千円、間接経費: 210千円)
2022年度: 1,170千円 (直接経費: 900千円、間接経費: 270千円)
2021年度: 1,040千円 (直接経費: 800千円、間接経費: 240千円)
|
キーワード | 糸球体過剰濾過 / 慢性腎臓病 / 高血圧 / 糖尿病性腎症 / メカニカルストレス / Piezo2 / ネフロン数 / 糸球体内圧 / 内皮細胞傷害 |
研究開始時の研究の概要 |
本研究では、糸球体過剰濾過における糸球体内皮細胞の機械的刺激“メカニカルストレス”に着目し、ネフロン数減少に伴う糸球体血行動態の変化に応じた内皮細胞障害およびCKDの進展機序を解明する。さらに糸球体過剰濾過の実地診断法と糸球体内皮細胞のメカニカルセンサーを標的とした分子標的治療薬に向けた基礎研究も行ない、今後のCKDの進行予防および治療を目的とする。
|
研究実績の概要 |
国民病の一つと考えられる慢性腎臓病(chronic kidney disease: CKD)は、現在、根本的な治療法がなく、その発症要因の早期診断と早期介入が必要とされている。申請者は、腎臓の構成単位であるネフロン数を概算することで、単一ネフロン機能を測定することに成功した。次いで、CKDの進展に共通する病態であるネフロン数減少と糸球体過剰濾過の評価を行い、CKDにおける糸球体代償性機能の破綻を見出した。 本研究では、ネフロン数と糸球体過剰濾過の業績を発展させ、糸球体過剰濾過における糸球体内皮細胞の機械的刺激“メカニカルストレス”に着目し、ネフロン数減少に伴う糸球体血行動態の変化に応じた内皮細胞障害およびCKDの進展機序を解明することを目的とした。 現在は主にヒトの腎生検検体を用いて、ネフロン数を算出するとともに、糸球体過剰濾過による内皮細胞障害を同定することを試みている。 ヒトによる検討では、糸球体内圧は単一糸球体濾過量と正相関を示し、糸球体容積, 濾過率, Ra, Re, 尿蛋白量と有意な関連を認めた。 一方、糖尿病性腎症(DKD)モデルの検討においては、血液尿生化学検査、腎臓の病理組織学的観察、遺伝子発現解析、in situ hybridization法を用いてPiezo2の発現局在の同定を試みている。 これら研究成果によって、ヒト腎生検検体におけるPiezo2発現を評価し、腎予後因子の確立や治療介入の研究へ発展させていく次第である。
|
現在までの達成度 (区分) |
現在までの達成度 (区分)
2: おおむね順調に進展している
理由
ヒト研究においては、論文通行前の段階であり、基礎研究についても、有意な結果が得られ、各種学会において発表したのちに論文化を進めていく次第である。
|
今後の研究の推進方策 |
ヒト研究における糸球体過剰濾過の機序、基礎研究におけるメカニカルストレスPiezo2の発現検討において、新たな知見が同定された。今後は、ヒト腎生検検体において、Piezo2の発現を評価し、CKDとしての腎予後マーカーおよび新たな治療対象分子を探索していく予定である。
|