研究課題/領域番号 |
21K16202
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研究種目 |
若手研究
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配分区分 | 基金 |
審査区分 |
小区分53050:皮膚科学関連
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研究機関 | 秋田大学 |
研究代表者 |
能登 舞 秋田大学, 医学部附属病院, 助教 (10738462)
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研究期間 (年度) |
2021-04-01 – 2024-03-31
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研究課題ステータス |
交付 (2022年度)
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配分額 *注記 |
4,680千円 (直接経費: 3,600千円、間接経費: 1,080千円)
2022年度: 2,080千円 (直接経費: 1,600千円、間接経費: 480千円)
2021年度: 2,600千円 (直接経費: 2,000千円、間接経費: 600千円)
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キーワード | メラノーマ / メラノーマ様細胞 / 免疫組織化学染色 / メラノサイト / 悪性黒色腫 / メラノーマ「様」細胞 / 分子遺伝学 / 癌関連遺伝子 / 病理組織学 |
研究開始時の研究の概要 |
メラノーマは、腫瘍に切り込んでの部分生検を回避すべきとされており、病理組織診断確定のため、全摘生検を行うことが多い。研究代表者は、全摘生検で腫瘍の残存がないことが確認されているにも関わらず、その後に行った追加切除標本内に、メラノーマに非常に類似した病変が確認されることがしばしばあることに気がついた。ここでみられるメラノーマ「様」細胞が、①メラノーマの取り残し、②メラノーマの再発、もしくは、③正常なメラノサイトの増生、④メラノサイト以外の細胞なのかということを免疫組織化学的、遺伝子学的に検討し、今後のメラノーマ診療の新しい根拠として、外科的治療の精度上昇、侵襲の低下につなげたい。
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研究実績の概要 |
2年目であるR4年度は,昨年度病理組織学的所見を解析し抽出した,初回切除で完全切除できていたメラノーマ症例のうち,追加切除標本内に「メラノーマ様細胞」の出現が確認できた症例に関して,①「メラノーマ様細胞」の分布の比較,②初回切除時の腫瘍細胞と,追加切除時の「メラノーマ様細胞」の免疫組織化学的性質の比較を行った.①「メラノーマ様細胞」は,当初初回切除瘢痕を中心として狭い範囲に限局して存在することが想定されていたが,実際には追加切除標本に広く分布しており,追加切除標本の側方断端まで存在していることを確認できた.また,初回切除の際,真皮内浸潤の所見がみられた症例においても,メラノーマ様細胞はあくまで表皮基底層を中心に存在していた.②免疫組織学的には,腫瘍細胞の性質は概ね初回切除時の腫瘍細胞の性質と類似していることを確認できた.
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現在までの達成度 (区分) |
現在までの達成度 (区分)
3: やや遅れている
理由
外科的治療を行ったメラノーマ症例において,追加切除の際に確認される「メラノーマ様細胞」に関して,形態学的,免疫組織化学的な解析は,昨年から引き続き計画通り進めることができた.しかし当初想定していたよりも,「メラノーマ様細胞」の個数が非常に少なく,この細胞ゲノム解析を計画通り進めることができなかった.
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今後の研究の推進方策 |
R5年度は,抽出した症例のうち,最も多くの「メラノーマ様細胞」が出現していた症例に関するゲノム解析に注力し,遺伝子プロファイリングを進め,成果発表につなげることを目標とする.目的とする「メラノーマ様細胞」が非常に少なく,得られるDNAも少ないため,全ゲノム増幅技術(GenomiPhi DNA Amplification Kit (GEヘルスケア))を用いる予定である.
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