研究課題/領域番号 |
21K16209
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研究種目 |
若手研究
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配分区分 | 基金 |
審査区分 |
小区分53050:皮膚科学関連
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研究機関 | 京都大学 |
研究代表者 |
一條 遼 京都大学, 医生物学研究所, 助教 (50804382)
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研究期間 (年度) |
2021-04-01 – 2023-03-31
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研究課題ステータス |
完了 (2022年度)
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配分額 *注記 |
4,680千円 (直接経費: 3,600千円、間接経費: 1,080千円)
2022年度: 2,470千円 (直接経費: 1,900千円、間接経費: 570千円)
2021年度: 2,210千円 (直接経費: 1,700千円、間接経費: 510千円)
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キーワード | 老化 / 皮膚 / 表皮幹細胞 / 線維芽細胞 / 真皮 |
研究開始時の研究の概要 |
本研究では線維芽細胞のheterogeneityが変化し、真皮が硬くなることが明らかなっている。組織幹細胞に隣接する細胞外基質が硬化することで、その性質が変化するという概念は癌研究でよく行われてきたが、恒常性の観点から行った研究が少なく、生体における研究は僅かである。本研究は硬さと組織幹細胞の恒常性の破綻という新しい観点でのアプローチである。よって本研究により、新たな皮膚老化のメカニズムを解明できる可能性がある。この新たなメカニズムの解明は、肥満、老化による組織修復の遅延を改善することや、有効な治療法の存在しない皮膚癌などの新しい治療戦略の開発に貢献できると考えられる。
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研究成果の概要 |
表皮幹細胞の老化メカニズムは、酸化ストレスなどによって生じるDNA損傷など細胞内部の変化、つまり細胞老化が要因であることは報告されていた。しかし、表皮幹細胞周囲の環境の加齢変化やそれが表皮幹細胞に及ぼす影響については未解明であった。本研究では、加齢に伴い真皮線維芽細胞からPtx3の発現が上昇し、それが血管の減少と真皮の硬化を誘導し、Piezo1を介したカルシウムの長期流入による表皮幹細胞の加齢変容を誘発するという新たな皮膚老化機構が明らかとなった。
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研究成果の学術的意義や社会的意義 |
組織幹細胞に隣接する細胞外基質が硬化することで、その性質が変化するという概念は癌研究でよく行われてきた。しかし、恒常性の観点からは行った研究がほぼなく、生体における研究は非常に少ない。本研究では硬さと組織幹細胞の恒常性の破綻という新しい観点でのアプローチとである。 本研究により新たな皮膚老化のメカニズムを解明できる可能性がある。この新たなメカニズムの解明は老化による組織修復の遅延を改善することや、有効な治療法の存在しない皮膚癌などの新しい治療戦略の開発に貢献できると考えられる。
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