研究課題/領域番号 |
21K16212
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研究種目 |
若手研究
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配分区分 | 基金 |
審査区分 |
小区分53050:皮膚科学関連
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研究機関 | 神戸大学 |
研究代表者 |
神保 晴紀 神戸大学, 医学研究科, 医学研究員 (70896894)
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研究期間 (年度) |
2021-04-01 – 2024-03-31
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研究課題ステータス |
完了 (2023年度)
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配分額 *注記 |
4,680千円 (直接経費: 3,600千円、間接経費: 1,080千円)
2023年度: 1,170千円 (直接経費: 900千円、間接経費: 270千円)
2022年度: 1,430千円 (直接経費: 1,100千円、間接経費: 330千円)
2021年度: 2,080千円 (直接経費: 1,600千円、間接経費: 480千円)
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キーワード | 血管肉腫 / メタボロミクス / グルタミン酸 / glutaminase 1 / GLS1阻害剤 / メタボロニクス / GLS 1阻害剤 / メタボロミクス解析 / 増殖機序 |
研究開始時の研究の概要 |
頭部血管肉腫は稀少な皮膚原発の悪性腫瘍であり、予後は極めて悪い。血管肉腫の増殖機序の更なる解明とその機序に作用する新規薬剤の開発、導入が急務である。増殖機序を解明するために、近年、低分子代謝物を網羅的に解析するメタボロミクスの研究が飛躍的に進んでいる。そこで、本研究では頭部血管肉腫患者の血漿検体でのメタボロミクスを施行し、健常者と比較し有意に変化している低分子代謝物を同定することを目的とする。さらに、その代謝物が腫瘍増殖に直接関与しているのかをin vitro で立証し、またin vivo でそれらが治療標的と成り得るかを検証し、最終的には新規薬剤の発見につなげることを目指す。
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研究成果の概要 |
頭部血管肉腫患者の血漿検体のメタボロミクス(低分子化合物を網羅的に解析する手法)を行い、L-グルタミン酸が上昇していることが 明らかとなった。L-グルタミン酸が血管肉腫の増殖に関与している可能性を考慮し、L-グルタミンをL-グルタミン酸に変換する酵素であるglutaminase 1(GLS 1)に着目した。ヒト血管肉腫細胞株の増殖がGLS 1阻害剤の添加により有意に抑制された。その機序を解明する目的で、マイクロアレイを用いて同細胞株において変化したmRNA発現を網羅的に解析した。血管肉腫患者の腫瘍検体でのGLS免疫染色では腫瘍細胞に陽性であったが、同一検体の正常血管内皮細胞では陰性であった。
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研究成果の学術的意義や社会的意義 |
頭部血管肉腫は稀少な皮膚原発の悪性腫瘍であり、高齢者に生じやすく皮膚に生じる悪性腫瘍の中では最も予後が 悪い。 治療に関しては現行の化学療法(抗がん剤)では投与を継続するも薬剤耐性により再発する例が多く、新規薬剤の発見が待たれる状況である。本研究では、血管肉腫の腫瘍細胞ではGLS 1 の発現が亢進しGLS 1阻害剤により増殖が阻害されるという結果が得られたことから、GLS 1阻害剤が頭部血管肉腫の新規薬剤の候補の一つになる可能性が示唆された。
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