研究課題/領域番号 |
21K16213
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研究種目 |
若手研究
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配分区分 | 基金 |
審査区分 |
小区分53050:皮膚科学関連
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研究機関 | 鳥取大学 |
研究代表者 |
大平 崇人 鳥取大学, 医学部, 助教 (60757665)
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研究期間 (年度) |
2021-04-01 – 2024-03-31
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研究課題ステータス |
交付 (2022年度)
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配分額 *注記 |
4,550千円 (直接経費: 3,500千円、間接経費: 1,050千円)
2023年度: 1,170千円 (直接経費: 900千円、間接経費: 270千円)
2022年度: 1,820千円 (直接経費: 1,400千円、間接経費: 420千円)
2021年度: 1,560千円 (直接経費: 1,200千円、間接経費: 360千円)
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キーワード | メラノーマ / 薬剤耐性 / がん抑制遺伝子 / がん遺伝子 |
研究開始時の研究の概要 |
申請者はPITX1の新規標的遺伝子としてSOX9をChIP-seq法によって同定し、PITX1によるSOX9の発現誘導は、メラノーマのドライバー遺伝子として報告されているSOX10の発現抑制を介して、その細胞増殖を阻害する新規がん抑制経路(PITX1/SOX9経路)の存在を明らかにした。 本研究では、PITX1/SOX9経路のメラノーマにおける制がん効果を実証するために、薬剤耐性メラノーマにおける抗がん効果について、動物実験を含めた解析により詳細に検証する。また、PITX1の発現を誘導する化合物の同定を試みることでPITX1による新規メラノーマ治療法開発につながる糸口をつかむことを目的とする。
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研究実績の概要 |
これまで研究実施者はPITX1が、SOX9の発現上昇を介してメラノーマのがんドライバー遺伝子として知られているSOX10の発現を顕著に抑制し、抗腫瘍効果(増殖抑制, 細胞死/アポトーシス)を誘導することを明らかにしてきた。一方、PITX1の発現誘導を作用機序とした抗がん剤の臨床への応用例はなく、研究開発の余地が残されている。本年度は、①in vivoにおけるPITX1/SOX9経路の抗がん効果の検討と②PITX1発現誘導低分子化合物の同定について研究を実施した。 ①について、ヌードマウスの皮下にPITX1を発現誘導したA2058細胞とコントロールのA2058細胞を移植し、約1か月間経過観察を行い、腫瘍細胞の増殖率を解析した。その結果、コントロール群に比べてPITX1発現誘導群において、優位に腫瘍体積が減少することが示された。 ②について、キナーゼ阻害薬として効果をもつソラフィニブおよびレゴラフェニブはPITX1発現を誘導する薬剤として報告されており、ソラフィニブおよびレゴラフェニブによるPITX1-SOX10経路の惹起が、メラノーマにおける新規抗がん剤として抗腫瘍効果を発揮するか否かを検討した。その結果、メラノーマ細胞株A2058およびSKMEL28を用いてソラフェニブおよびレゴラフェニブ10μMで48時間処理すると細胞死が誘導された。加えて、PITX1-SOX10経路への関連性を検討するために薬剤処理15時間後の細胞からタンパクを回収し、PITX1およびSOX10の発現動態を解析した。その結果, PITX1の発現上昇に伴って、SOX10の発現低下が誘導されていることを確認した。
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現在までの達成度 (区分) |
現在までの達成度 (区分)
2: おおむね順調に進展している
理由
in vivoにおいても、PITX1による腫瘍抑制効果がある程度認められたことに加えて、PITX1の発現を誘導可能な低分子化合物について、有望な候補が決定できたため。
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今後の研究の推進方策 |
腫瘍モデルマウスを用いたPITX1による制がん効果について、SOX9とSOX10の発現動態解析を加えて、さらに詳細なデータを取得する。また、PITX1の発現を誘導する低分子化合物について、抗腫瘍効果の有無を検討する。さらに、臨床組織におけるPITX1/SOX9/SXO10発現動態解析を行う予定である。
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