研究課題/領域番号 |
21K16219
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研究種目 |
若手研究
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配分区分 | 基金 |
審査区分 |
小区分53050:皮膚科学関連
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研究機関 | 北海道大学 |
研究代表者 |
前田 拓 北海道大学, 大学病院, 講師 (80813542)
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研究期間 (年度) |
2021-04-01 – 2023-03-31
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研究課題ステータス |
完了 (2022年度)
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配分額 *注記 |
4,420千円 (直接経費: 3,400千円、間接経費: 1,020千円)
2022年度: 1,820千円 (直接経費: 1,400千円、間接経費: 420千円)
2021年度: 2,600千円 (直接経費: 2,000千円、間接経費: 600千円)
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キーワード | 悪性黒色腫 / 腫瘍溶解性ウイルス / 免疫 / リンパ / メラノーマ / 単純ヘルペスウイルス / 抗PD-1抗体 / リンパ球 / 併用療法 / 免疫賦活化 / 腫瘍溶解ウイルス |
研究開始時の研究の概要 |
メラノーマに対しては、近年、抗PD1抗体をはじめとした種々の抗腫瘍薬が開発され、最適な併用療法が模索されている。しかし、副作用が大きな問題である。腫瘍溶解性ウイルスを用いる癌治療は、ウイルスが癌細胞に感染し増殖して内部から癌細胞を破壊し、直接腫瘍細胞を死に至らしめる。本治療は、新規抗腫瘍薬が引き起こす副作用の問題を軽減させ、かつ抗腫瘍効果を維持することが期待される。 メラノーマ腫瘍免疫における免疫系の賦活化についてこれまで検証してきた経験を踏まえ、抗PD-1製剤と腫瘍溶解性ウイルス併用療法の全身性にもたらす免疫系の変化を捉え、抗PD-1製剤のさらなる賦活化を目指す。
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研究成果の概要 |
Clone M-3メラノーマ細胞をマウス大腿部に皮下注入することで、メラノーマモデルを作成した。Clone M-3はfootpadなどの皮下組織の薄い部位では腫瘤を形成しない可能性が示唆された。フローサイトメトリーの結果、Clone M-3の播種によって、tumor-draining lymph node(TDLN)においてCD4-CD8+リンパ球が増加することが明らかになった。今回、リンパ節には肉眼的には転移を認めなかったが、TDLNにおいて腫瘍抗原に対してkiller T細胞が動員された可能性が考えられた。しかしながら、ウイルスや抗PD-1抗体の投与までは至らなかった。
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研究成果の学術的意義や社会的意義 |
腫瘍溶解性ウイルスは宿主の抗腫瘍免疫活性を賦活化させることで、直接ウイルスを投与していない腫瘍に対しても治療効果を発揮することが示唆されている。腫瘍溶解性ウイルスと抗PD-1抗体の併用によって生じるリンパ球の変化を捉え、腫瘍溶解性ウイルスが持つ免疫賦活化の機序を検証することで、メラノーマ治療において新たな選択肢を増やすことに繋がる可能性がある。
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