研究課題/領域番号 |
21K16223
|
研究種目 |
若手研究
|
配分区分 | 基金 |
審査区分 |
小区分53050:皮膚科学関連
|
研究機関 | 山梨大学 |
研究代表者 |
木下 真直 山梨大学, 大学院総合研究部, 臨床助教 (90813717)
|
研究期間 (年度) |
2021-11-01 – 2025-03-31
|
研究課題ステータス |
交付 (2023年度)
|
配分額 *注記 |
4,680千円 (直接経費: 3,600千円、間接経費: 1,080千円)
2023年度: 650千円 (直接経費: 500千円、間接経費: 150千円)
2022年度: 1,690千円 (直接経費: 1,300千円、間接経費: 390千円)
2021年度: 2,340千円 (直接経費: 1,800千円、間接経費: 540千円)
|
キーワード | Stevens-Johnson症候群 / 中毒性表皮壊死症 / 大量免疫グロブリン療法 / NETs / 好中球 / スティーブンジョンソン症候群 |
研究開始時の研究の概要 |
Stevens-Johnson症候群 (SJS) と中毒性表皮壊死症 (Toxic Epidermal Necrolysis: TEN) の病態は、 これまで薬剤特異的CD8+ 細胞などが産生する細胞傷害因子による表皮細胞死(獲得免疫反応) で説明されてきた。我々は、若手研究(2018年~2021年)において好中球が Neutrophil extracellular traps (NETs) を形成し、表皮細胞に“細胞死のスイッチ”を誘導することで、広範な表皮細胞死に至るとする自然免疫機序の病態関与を明らかにした。 そこで本研究では、このNETs を中心とする病態仮説の誘因に迫ること、さらにこの病態に着目した SJS/TEN の既存治療薬の作用機序の解明と新規治療薬開発を2つの主な目的とする。
|
研究実績の概要 |
今年度は Stevens-Johnson症候群 (SJS) と中毒性表皮壊死症 (Toxic Epidermal Necrolysis: TEN) 治療薬として臨床応用されている免疫グロブリン製剤が、濃度依存性に好中球の Neutrophil extracellular traps (NETs) 形成を抑制することを見出した。 一方、他の国内承認治療薬や、海外で SJS/TEN 治療薬として使用されている薬剤である、シクロスポリン、副腎皮質ホルモン、TNF-α阻害剤は、いずれも NETs 形成を直接的には阻害しなかった。 これまで大量免疫グロブリン療法の作用機序は不明であったが、「好中球への NETs 抑制効果」で 説明できる可能性がある。 次年度は、免疫グロブリン製剤が NETs を阻害する分子メカニズムを解析し、免疫グロブリン療法の作用機序の解明に迫る。
|
現在までの達成度 (区分) |
現在までの達成度 (区分)
2: おおむね順調に進展している
理由
当初の計画書通りに NETs を標的とした SJS/TEN の治療機序解明に迫ることができている。 これまでのところFc受容体依存性に免疫グロブリン製剤がNETsを抑制することがわかってきた。 現在、その分子メカニズムをさらに詳しく調べている最中であるが、方向性は定まっている。
|
今後の研究の推進方策 |
これまで大量免疫グロブリン療法の作用機序は不明であったが、「好中球への NETs 抑制効果」で説明できる可能性がある。 今後は、免疫グロブリン製剤が NETs を阻害する分子メカニズムを解析し、免疫グロブリン療法の作用機序の解明に迫る。 また、より NETs を効果的に阻害、分解する薬剤の開発を通じて、治療戦略の創出に繋げる。
|