研究課題/領域番号 |
21K16224
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研究種目 |
若手研究
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配分区分 | 基金 |
審査区分 |
小区分53050:皮膚科学関連
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研究機関 | 信州大学 |
研究代表者 |
中村 謙太 信州大学, 学術研究院医学系, 助教 (90804170)
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研究期間 (年度) |
2021-04-01 – 2024-03-31
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研究課題ステータス |
完了 (2023年度)
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配分額 *注記 |
4,550千円 (直接経費: 3,500千円、間接経費: 1,050千円)
2023年度: 1,040千円 (直接経費: 800千円、間接経費: 240千円)
2022年度: 1,690千円 (直接経費: 1,300千円、間接経費: 390千円)
2021年度: 1,820千円 (直接経費: 1,400千円、間接経費: 420千円)
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キーワード | 悪性黒色腫 / 術後補助療法 / レパトア / ケモカイン |
研究開始時の研究の概要 |
悪性黒色腫は術後補助療法(抗PD-1抗体)を行っても、術後12か月以内に約3割の再発がみられることから、この再発抑制のメカニズムを解析し、再発抑制による予後改善につなげるために、術後補助療法前後での末梢血のT細胞クローンやサイトカインやケモカインの変動やが再発抑制と関連するのか解析を行う。
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研究成果の概要 |
術後補助療法で再発がみられた症例(9例)では、T細胞のクローン増殖は治療後に減少しているが、再発がみられなかった症例(6例)では、有意にT細胞のクローン増殖が治療後に増加した。なお、この末梢血で増加したT細胞クローンは、切除した腫瘍検体に浸潤するT細胞のクローンと同じであり、腫瘍を認識するクローンと考えられた。また、再発がみられなかった症例は、進行期悪性黒色腫で抗PD-1抗体療法により2年以上の長期に腫瘍縮小がみられた6例のT細胞クローン増殖と同程度の増殖がみられており、このクローン増殖が再発予防に関与した可能性が示唆された。
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研究成果の学術的意義や社会的意義 |
悪性黒色腫の術後再発が予後不良の原因となっており、2018年より術後補助療法(術後12か月間の免疫チェックポイント阻害薬(抗PD-1抗体))が開始された。これにより、術後12か月間に約4割あった再発が約3割に減少した。今回、さらなる再発リスクの軽減のため、再発を予測する因子を解析したところ、治療開始後の末梢血のT細胞クローンの増殖がみられないことが再発群で有意に示された。このような症例群では、再発のリスクが高いと考え、画像検査などを頻回に行うなど早期発見が必要である。また、今後、T細胞クローンの増殖を促す治療との併用などが期待される。
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