研究課題/領域番号 |
21K16225
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研究種目 |
若手研究
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配分区分 | 基金 |
審査区分 |
小区分53050:皮膚科学関連
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研究機関 | 浜松医科大学 |
研究代表者 |
福地 健祐 浜松医科大学, 医学部附属病院, 助教 (60897346)
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研究期間 (年度) |
2021-04-01 – 2026-03-31
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研究課題ステータス |
交付 (2023年度)
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配分額 *注記 |
4,550千円 (直接経費: 3,500千円、間接経費: 1,050千円)
2025年度: 910千円 (直接経費: 700千円、間接経費: 210千円)
2024年度: 780千円 (直接経費: 600千円、間接経費: 180千円)
2023年度: 780千円 (直接経費: 600千円、間接経費: 180千円)
2022年度: 780千円 (直接経費: 600千円、間接経費: 180千円)
2021年度: 1,300千円 (直接経費: 1,000千円、間接経費: 300千円)
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キーワード | IL4I1 / トリプトファン代謝産物 / 免疫チェックポイント阻害薬 / 悪性黒色腫 / 抗PD-1抗体 / 坑PD-1抗体 / IL-4I1 / トリプトファン代謝 / 腫瘍免疫 |
研究開始時の研究の概要 |
免疫チェックポイント阻害薬は悪性腫瘍の治療において欠かすことのできない存在となっ ている。しかしすべての症例に奏功する訳ではなく、更なる効果を期待して併用療法の開発 が進められている。近年、interleukin-4-induced-1(IL4I1)がtryptophan(Trp)代謝を通じて、免疫抑制性の作用を示すことが明らかになった。そこで我々は、進行期悪性黒色腫患者に対する免疫チェックポイント阻害薬の治療前後で、IL4I1-Trp代謝経路が治療効果に及ぼす影響を検討するに至った。
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研究実績の概要 |
これまでに合計12名の免疫チェックポイント阻害薬治療患者から同意を取得し、検体採取を行った。血液検体採取は1名あたり3回行い、それぞれ免疫チェックポイント阻害薬投与前、初回投与後、投与開始2か月後に採取した。得られた血液検体から血漿を遠心分離し、外部検査機関(島津製作所)に依頼しトリプトファンならびにその代謝産物の濃度を測定した。島津製作所では、タンデム質量分析を備えた液体クロマトグラフィーを使用して血漿中トリプトファンとその代謝産物を包括的に測定した。 得られた検体を時間ごとまたは治療効果、そして有害事象の発現の有無にわりつけ、統計的に比較検討を行った。注目したパラメータとしてはキヌレイン(Kyn)、キヌレイン酸(KynA)、3-インドール酪酸(3IAA)、そしてインドール3-酪酸(IBA)である。前2つはIndole-amine-2,3-dioxygenase、後ろ2つはinterleukin-4-induced-1という酵素よる代謝を経た代謝産物であり、トリプトファン濃度の比を計算することで2つの代謝経路の活性化を調べた。統計解析にはT検定を用いた。 さらに、今年度は治療開始前の組織におけるIL4I1の免疫染色を行い、全細胞におけるIL4I1陽性細胞の数の割合を計測した。その数をトリプトファン代謝産物と同様、治療効果、有害事象発現で割り付け、有意差を探るとともに、上記トリプトファン代謝経路の活性化とも相関を調べた。
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現在までの達成度 (区分) |
現在までの達成度 (区分)
3: やや遅れている
理由
これまでにトリプトファン代謝産物の濃度の測定と腫瘍組織におけるIL4I1陽性細胞を定量し、それぞれ治療効果と発現し、この2つのパラメータの相関も調べた。しかし、当初予定していたIL4I1欠損マウスの作成までは取り掛かれていない。
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今後の研究の推進方策 |
現在得られたを元に、1症例ずつ検証し、ポイントを見つける。 そのうえで、論文を執筆し、適宜追実験を行っていく。
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