研究課題/領域番号 |
21K16234
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研究種目 |
若手研究
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配分区分 | 基金 |
審査区分 |
小区分53050:皮膚科学関連
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研究機関 | 京都府立医科大学 |
研究代表者 |
荒川 幸保 京都府立医科大学, 医学(系)研究科(研究院), 助教 (70851707)
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研究期間 (年度) |
2021-04-01 – 2026-03-31
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研究課題ステータス |
交付 (2023年度)
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配分額 *注記 |
4,550千円 (直接経費: 3,500千円、間接経費: 1,050千円)
2025年度: 910千円 (直接経費: 700千円、間接経費: 210千円)
2024年度: 910千円 (直接経費: 700千円、間接経費: 210千円)
2023年度: 910千円 (直接経費: 700千円、間接経費: 210千円)
2022年度: 910千円 (直接経費: 700千円、間接経費: 210千円)
2021年度: 910千円 (直接経費: 700千円、間接経費: 210千円)
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キーワード | IKZF1 / Alopecia areata / NKG2D / Ikaros / MHC class 1 / MHC class I |
研究開始時の研究の概要 |
本研究は、Ikaros family zinc finger protein 1(IKZF1)が円形脱毛症の発症や病態維持に果たす役割とその分子機構をIKZF1 トランスジェニック(Tg)マウスおよびヒト皮膚組織を用いて解明し、円形脱毛症の疾患モデルマウスの作成および円形脱毛症の病態解明、新たな治療の可能性を明らかにすることが目的である。具合的な研究項目は、①脱毛症を自然発症するケラチン5のプロモーター皮膚表皮等上皮特異的にIKZF1を強発現させたIKZF1Tgマウスの解析②ヒト正常組織および円形脱毛症をはじめとした様々な脱毛症の組織におけるIKZF1の発現、病勢との関連についての検討である。
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研究実績の概要 |
近年、全ゲノム関連解析によりIKZFファミリーの遺伝子が円形脱毛症に大きくかかわっていることが明らかになってきている。そのIKZFファミリーのIKZF1をトランスフェクションした毛乳頭細胞、ケラチノサイト、線維芽細胞を健常者の末梢血単核球と共培するとNKG2D依存性の末梢血単核球関連細胞毒性の増加を誘導することから、in vitro下ではIKZF1が円形脱毛症の自己抗原提示に大きく関与すると推察されている。しかし、生体下において、IKZF1が円形脱毛症でどのように発現し、役割を果たすのかは未だ解明されていない。そこで、ケラチン5をプロモーターとしてIKZF1遺伝子を導入したベクターを用いた、ケラチン5特異的IKZF1強発現マウスIKZF1 Tgマウスを作成し、脱毛機序の解析を行った。この皮膚表皮等上皮特異的にIKZF1を強発現させたIKZF1 Tgマウスは脱毛斑を生後4週間頃から高確率で自然発症した。IKZF1 Tgマウスの脱毛部皮膚組織の免疫染色を行ったところ、破壊された毛包や退行期の毛包へのCD8陽性細胞およびCD4陽性細胞による浸潤を認めた。したがって、IKZF1 Tgマウスが円形脱毛症と同様の病態で脱毛を来している可能性が推察される。IKZF1 Tgマウスの脱毛部の追加免疫染色やサイトカイン、ケモカインmRNA量をreal-time PCRで解析した。
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現在までの達成度 (区分) |
現在までの達成度 (区分)
2: おおむね順調に進展している
理由
IKZF1 Tgマウスの脱毛部皮膚組織のNKG2D陽性CD8細胞浸潤や毛包上皮細胞におけるH60 発現などを免疫組織学的に評価し、Wild type マウスと比較し、解析した。さらに、IFN-γ、TNF-α、IL-6、IL-15など円毛脱毛症に関連するサイトカインのmRNA量をreal-time PCRで解析した。
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今後の研究の推進方策 |
本研究で得られた知見をもとに、円形脱毛症におけるIKZF1を介する炎症の制御機序が解明され、IKZF1をターゲットにした円形脱毛症をはじめとした炎症性疾患 の新たな発症予防法や治療法の開発を行うための研究をさらに推進する。2型炎症の機能を解析するため、IKZF1 Tgマウスの脱毛部皮膚組織の追加免疫染色および円毛脱毛症に関連するIL-4, IL-13など2型炎症サイトカインのmRNA量をreal-time PCRで解析する予定である。
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