研究課題/領域番号 |
21K16238
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研究種目 |
若手研究
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配分区分 | 基金 |
審査区分 |
小区分54010:血液および腫瘍内科学関連
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研究機関 | 旭川医科大学 |
研究代表者 |
山本 昌代 旭川医科大学, 医学部, 助教 (30596284)
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研究期間 (年度) |
2021-04-01 – 2024-03-31
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研究課題ステータス |
完了 (2023年度)
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配分額 *注記 |
4,420千円 (直接経費: 3,400千円、間接経費: 1,020千円)
2023年度: 1,430千円 (直接経費: 1,100千円、間接経費: 330千円)
2022年度: 1,430千円 (直接経費: 1,100千円、間接経費: 330千円)
2021年度: 1,560千円 (直接経費: 1,200千円、間接経費: 360千円)
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キーワード | 多発性骨髄腫 / cfDNA / RAS遺伝子変異 / リキッドバイオプシー / cell free DNA / 次世代シーケンサー |
研究開始時の研究の概要 |
口頭および文書による同意を得たのちに、MM及びMGUS患者の骨髄液検体および血漿cfDNAを採取し、IgH遺伝子再構成の有無とKRAS、NRAS変異を検出する。これらの結果とMMの国際予後分類や治療内容、奏功度等の臨床情報とを照らし合わせ、RAS変異の有無と生命予後との間に相関性があるかを検討する。さらに、骨髄液とcfDNAでのRAS変異の相動性を検証し、低侵襲に採取できるcfDNAによる解析が骨髄液による解析の代替となりうるか検証する。
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研究成果の概要 |
多発性骨髄腫患者の骨髄検体を解析してRAS遺伝子変異の有無を解析し、RAS変異陽性例を対象に血漿由来のcfDNAを用いてデジタルPCRでRAS遺伝子変異のmutation allele frequency(MAF)の解析を経時的に行い、血清フリーライトチェーンなどの臨床所見との関連性を検討した。その結果、一部の症例で臨床的な増悪を認める前に血漿中でMAFの増加を認め、血漿由来cfDNAでの解析が骨髄腫の病勢を反映する可能性が示唆された。さらに、RAS遺伝子変異を認める症例では認めない症例に比べ予後が不良である可能性を示唆する結果も得られており、今後学会での報告を予定している。
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研究成果の学術的意義や社会的意義 |
多発性骨髄腫(MM)は同一個体内でも病変が不均一に分布すると考えられており、骨髄内に腫瘍細胞がなく、骨病変などの髄外病変を認める場合がある。現在、骨髄細胞を用いたマルチカラーフローサイトメトリーによる微小残存病変(MRD)の評価が治療効果判定等に有用とされているが、骨髄での解析だけでは不十分である可能性もある。本研究では血漿由来のcfDNAを用いた解析がMMの病勢を反映する可能性が示唆された。血漿由来のcfDNAは骨髄以外の病変由来の遺伝子変異の解析も可能であることから、現在のMRDの解析よりもより正確にMMの病勢を反映する可能性もあり、今後、現在のMRD評価の代替となる可能性が考えられる。
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