研究課題
若手研究
悪性リンパ腫患者数は高齢化により増加傾向で、有害事象の少ない分子標的薬の開発につながる悪性リンパ腫の発症機序解明は重要である。8q24染色体転座を有する悪性リンパ腫の予後は不良であり、新たな治療法の開発が望まれている。本研究では8q24に存在する非コードRNAであるPVT1に着目して研究を行う。PVT1は1980年代に同定されたがその機能解析は未だ不十分である。これまでの申請者の研究活動から①PVT1内のmicroRNAと②転座により形成されるスーパーエンハンサーによるPVT1への影響に着目して悪性リンパ腫発症におけるPVT1の役割を明らかにする。
悪性リンパ腫の中でも特に8番染色体長腕24バンド(8q24)染色体転座を有する悪性リンパ腫の予後は不良であり、治療に難渋することがある。そのため、8q24染色体転座を有する悪性リンパ腫の腫瘍化の機構を明らかにして、新たな治療薬開発につなげることは重要である。染色体転座点近傍には腫瘍発症に重要な遺伝子が存在する。8q24転座点近傍にはガン遺伝子MYCとその下流にPlasmacytoma variant translocation 1 (PVT1)が存在する。PVT1はlong intergenic non-coding RNA(lncRNA)である。本研究の目的は、①PVT1内のmicroRNA (miR)と②転座により形成されるスーパーエンハンサーによるPVT1への影響に着目して悪性リンパ腫発症におけるPVT1の役割を明らかにすることである。前年度は、PVT1 5’発現抑制効果を十分に得るためにPVT1 5’領域を欠失させるCRISPRベクターを設計してPVT1 5’発現抑制下での腫瘍細胞増殖変化の検討を試みていた。一方、令和5年度はPVT1内に転座点を有する細胞株で多くみられる転座相手であるIGλに着目して研究を進めた。IGλにあるIGLL5の領域でスーパーエンハンサーが形成されていると考えられ、JQ1を添加した際のIGLL5の発現抑制を確認した。また、IGLL5の発現をIGλに対するsiRNAにて低下させた際にアポトーシス細胞が増加することを示した。
3: やや遅れている
COVID診療等により研究に遅れが生じていたが、本課題の取組を再開している。
PVT1をアンチセンスオリゴヌクレオチドを用いて発現抑制できないかを血液腫瘍以外の細胞株を用いて検討し、PVT1発現抑制方法を最適化する。
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すべて 雑誌論文 (30件) (うち国際共著 2件、 査読あり 30件、 オープンアクセス 14件) 学会発表 (19件)
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