研究課題/領域番号 |
21K16258
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研究種目 |
若手研究
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配分区分 | 基金 |
審査区分 |
小区分54010:血液および腫瘍内科学関連
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研究機関 | 公益財団法人神戸医療産業都市推進機構 |
研究代表者 |
林 康貴 公益財団法人神戸医療産業都市推進機構, その他部局等, 研究員 (10854664)
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研究期間 (年度) |
2021-04-01 – 2024-03-31
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研究課題ステータス |
完了 (2023年度)
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配分額 *注記 |
4,550千円 (直接経費: 3,500千円、間接経費: 1,050千円)
2023年度: 1,040千円 (直接経費: 800千円、間接経費: 240千円)
2022年度: 1,560千円 (直接経費: 1,200千円、間接経費: 360千円)
2021年度: 1,950千円 (直接経費: 1,500千円、間接経費: 450千円)
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キーワード | 骨髄微小環境 / 間葉系幹細胞 / 骨髄異形成症候群 / 造血器腫瘍 |
研究開始時の研究の概要 |
骨髄異形成症候群(MDS)などの造血器腫瘍において、骨髄微小環境(造血幹細胞ニッチ)の変化は腫瘍特有の病態の維持に重要な役割を果たしている。申請者らはモデルマウスを用いた解析により、MDS細胞が代表的なニッチ細胞である間葉系幹細胞(MSC)の分化障害を介して正常造血を抑制することを見出した。本研究ではMDSモデルマウスを用いて単一細胞レベルでMSCを解析・分類し、造血不全の中心となる細胞集団の同定を目指す。さらにMSCの分化異常が造血支持低下に果たす役割を解明し、MDSにおける造血能回復を目標とした新たな治療戦略の礎を築くことを目的とする。
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研究成果の概要 |
骨髄異形成症候群(MDS)において、間葉系幹細胞(MSC)の改変は病態維持に重要な役割を果たすことが知られる。本研究ではMDSモデルマウス由来MSCの単一細胞解析により、病態の中心となる亜集団の探索と病態制御機序の解明を目指した。scRNA-seq解析からLeptin 受容体遺伝子高発現亜集団において顕著なニッチ因子の発現低下や分化抑制を認め、それにより骨芽細胞系列にコミットした亜集団が著減することが明らかになった。またMDSモデルの同亜集団ではニッチ因子遺伝子において分化関連転写因子のモチーフを持つエンハンサー領域の活性が低下し、分化を制御する転写因子を介した造血抑制が示唆された。
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研究成果の学術的意義や社会的意義 |
本研究は、骨髄異形成症候群(MDS)では骨髄間葉系幹細胞(MSC)の骨芽細胞系列への分化障害を介して造血不全を惹起することを明らかにした。またLeptin受容体遺伝子高発現MSC亜集団はMDSの病態に鍵となる役割を果たし、同亜集団においてニッチ因子の新規エンハンサー領域が疾患による分化抑制に伴い顕著に変動することを見出した。これらの知見はMDSにおけるMSC機能異常を司るマスターレギュレーターを明らかにし、改変MSCを対象とする治療応用につながると期待される。
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