研究課題/領域番号 |
21K16263
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研究種目 |
若手研究
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配分区分 | 基金 |
審査区分 |
小区分54010:血液および腫瘍内科学関連
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研究機関 | 東京大学 |
研究代表者 |
鈴木 雄太郎 東京大学, 医科学研究所, 特任研究員 (50879880)
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研究期間 (年度) |
2021-04-01 – 2026-03-31
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研究課題ステータス |
交付 (2023年度)
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配分額 *注記 |
4,550千円 (直接経費: 3,500千円、間接経費: 1,050千円)
2025年度: 910千円 (直接経費: 700千円、間接経費: 210千円)
2024年度: 910千円 (直接経費: 700千円、間接経費: 210千円)
2023年度: 910千円 (直接経費: 700千円、間接経費: 210千円)
2022年度: 910千円 (直接経費: 700千円、間接経費: 210千円)
2021年度: 910千円 (直接経費: 700千円、間接経費: 210千円)
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キーワード | エピジェネティクス / 骨髄性白血病 / 急性骨髄性白血病 / クロマチンリモデリング因子 |
研究開始時の研究の概要 |
急性骨髄性白血病の病態は、増殖、分化、幹細胞性の維持に関わる遺伝子の機能を中心に解明されてきたが、個々の遺伝子はエピジェネティック因子により複雑に制御されている。クロマチンリモデリング複合体は重要な制御因子の一つであり、INO80複合体はクロマチン構造の制御や転写調節により癌遺伝子の発現を制御していることが報告されているが、白血病における機能は未解明である。本研究では、白血病細胞株を用いたCRISPR/Cas9によるノックアウトスクリーニングを行い、我々が新規治療標的として見出したINO80複合体による未知の白血病病態制御機構を解明することを目的とする。
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研究実績の概要 |
クロマチンリモデリング関連遺伝子であるINO80C遺伝子に関しては現在までin vitroのノックダウン細胞株を用いた実験を進めており、急性骨髄性白血病細胞株においては骨髄系マーカーの陽性率が上昇することを観察した。この結果からは当該のクロマチンリモデリング因子が分化に関連していることが示唆された。一部また関連して別のクロマチン関連遺伝子として代表的なコヒーシン関連遺伝子であるStag2遺伝子のノックアウトマウスを用いた実験についても並行して開始した。胎児肝細胞を移植し たStag2ノックアウトマウスは末梢血が骨髄系への分化傾向を示すことを確認し、また骨髄細胞も野生型とは異なる表現型を示すことを確認している。もともと コヒーシン関連遺伝子は骨髄異形成症候群などをはじめとした骨髄系腫瘍で変異が多く観察されることが知られている。それに加えて所属研究室で所有するポリ コーム複合体関連遺伝子であるEzh2遺伝子のノックアウトマウスを用いて同様の実験を行った。表現型はStag2ノックアウトマウスの場合とはやや異なるもの の、RNAシークエンスでは造血幹細胞・前駆細胞の遺伝子発現変化に共通のパターンがみられ、ATACシークエンスではオープンクロマチン領域に共通する領域が認められた。分化関連の遺伝子発現変化や、細胞周期に関連する変化が顕著にみられたが、そのほか様々な制御機構に関わる分子の変化もみられている。これらの遺伝子変異が骨髄系腫瘍の病態変化に直接関わるような変化を同定するため、ChIPシークエンスも追加で行い、Stag2ノックアウトとEzh2ノックアウトではH3K27me3を減弱させるような影響がある可能性が示唆された。詳細なメカニズムに関しては不明であるため現在追加で解析を行っている。
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現在までの達成度 (区分) |
現在までの達成度 (区分)
3: やや遅れている
理由
マウスの移植モデルを準備するにあたり、目的とするマウスの維持や交配に時間を要したため。
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今後の研究の推進方策 |
得られたデータについて統合的に解析を進め、必要に応じて追加の実験についても実施する予定である。
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