研究課題/領域番号 |
21K16266
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研究種目 |
若手研究
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配分区分 | 基金 |
審査区分 |
小区分54010:血液および腫瘍内科学関連
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研究機関 | 日本大学 (2022-2023) 山梨大学 (2021) |
研究代表者 |
大竹 志門 日本大学, 医学部, 助教 (50813060)
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研究期間 (年度) |
2021-04-01 – 2024-03-31
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研究課題ステータス |
完了 (2023年度)
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配分額 *注記 |
4,550千円 (直接経費: 3,500千円、間接経費: 1,050千円)
2023年度: 1,430千円 (直接経費: 1,100千円、間接経費: 330千円)
2022年度: 1,430千円 (直接経費: 1,100千円、間接経費: 330千円)
2021年度: 1,690千円 (直接経費: 1,300千円、間接経費: 390千円)
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キーワード | 肝類洞閉塞症候群 / 血小板 / CLEC-2 / ポドプラニン / Podoplanin / 類洞内皮細胞 |
研究開始時の研究の概要 |
肝類洞閉塞症候群(SOS)は,化学放射線療法による肝類洞内皮細胞(LSEC)障害を発端として生じる合併症で,発症機序は以下の通りである.まず,障害LSEC同士の細胞間接着破綻により,その下層へ血流が形成,血液がうっ滞する.LSECは類洞を押しつぶすように閉塞させ,循環障害性肝障害が生じる.本病態における血小板の役割が示されつつあるが,その多くは未解明である.私たちが同定した血小板活性化受容体CLEC-2は,同じ分子同士結合して血栓安定化に寄与する.CLEC-2はLSECにも発現すると報告されていることから,本病態においてCLEC-2が重要な役割を担っていると仮説をたて,研究を進めることとした.
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研究成果の概要 |
SOSは化学放射線療法後に生じる合併症であり、肝類洞内皮細胞障害を発端とする循環障害性肝障害を特徴とする。CLEC-2は血小板に発現する他マウスにおいては肝類洞内皮細胞にも発現が報告されており、CLEC-2がSOS病態に何らかの影響をもつ可能性について検証した。モノクロタリン投与SOSモデルマウスを使用し、事前にCLEC-2抗体でCLEC-2を血小板上から除去したところ、肝障害の程度や血小板数の低下が有意に改善した。肝切片では組織障害スコアが改善し、組織内の血小板をCD42bに対する免疫染色で評価したところ陽性域が低下した。また、病勢に関連するとされるPAI1の発現にも有意な低下がみられた。
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研究成果の学術的意義や社会的意義 |
肝類洞閉塞症候群は主に強力な化学放射線療法を行う造血幹細胞移植後に生じる治療に関連した合併症である。重症例では致死率は極めて高く、移植治療における大きな問題となっている。本研究では血小板上に発現するCLEC-2という分子に着目し、CLEC-2を除去することで重症化を抑制できる可能性について検証した。その結果、マウスモデルにおいては血小板CLEC-2の除去が明らかに重症化抑制を示しており、有望な結果が得られた。ヒトにおいても同様の結果が得られるかはさらなる検討が必要であるが、肝類洞閉塞症候群の有効な治療法開発にむけ研究を発展させていきたい。
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