研究課題/領域番号 |
21K16270
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研究種目 |
若手研究
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配分区分 | 基金 |
審査区分 |
小区分54010:血液および腫瘍内科学関連
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研究機関 | 熊本大学 |
研究代表者 |
栗田 大輔 熊本大学, 大学院生命科学研究部(医), 特定研究員 (70790294)
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研究期間 (年度) |
2021-04-01 – 2025-03-31
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研究課題ステータス |
交付 (2023年度)
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配分額 *注記 |
4,550千円 (直接経費: 3,500千円、間接経費: 1,050千円)
2023年度: 650千円 (直接経費: 500千円、間接経費: 150千円)
2022年度: 910千円 (直接経費: 700千円、間接経費: 210千円)
2021年度: 2,990千円 (直接経費: 2,300千円、間接経費: 690千円)
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キーワード | ヒトT細胞白血病ウイルスI型(HTLV-1) / 成人T細胞白血病リンパ腫 / エピゲノム / スーパーエンハンサー / Tax / 細胞骨格 / ヒトT細胞白血病ウイルスI型(HTLV-1) |
研究開始時の研究の概要 |
ヒトT細胞白血病ウイルス(HTLV-1)は癌遺伝子TaxおよびHBZをコードしており感染細胞の維持・発がんに重要な役割を果たしている。一方、生体内でTaxの発現は抑制されており、発現動態・癌化への寄与について十分に解明されていない。申請者が所属する研究室では成人T細胞白血病の細胞株が、Taxを一過性に発現し宿主遺伝子発現の劇的な変化を誘導することを報告した。本研究では一過性Tax発現に伴う宿主遺伝子発現の制御機構を宿主エピゲノム変容に着目して解明し、間歇的Tax発現がどのように宿主ゲノムを変容させ細胞形質の変化を誘導し、感染細胞の維持、発がんに関与しているか明らかにする。
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研究実績の概要 |
これまでの研究結果より、ヒトT細胞白血病ウイルス1型(HTLV-1)感染細胞ではTaxの一過性発現に伴いHTLV-1は宿主細胞のエピゲノムを変容させ①T細胞早期活性化関連遺伝子の活性化を誘導する事でT細胞早期活性化を模倣し、②抗アポトーシス遺伝子を発現増加させることで細胞死を回避させ、さらに③アクチンフィラメント形成に関与する遺伝子群の発現および細胞間接触を増加させ、非感染細胞へのHTLV-1伝播を誘導することで、HTLV-1感染細胞の維持に寄与している事が判明した。
本年度ではさらにHTLV-1感染細胞の一過性Tax発現に伴う細胞骨格の変化、特にTaxとのアクチンフィラメント形成に関与するタンパク質との相互作用の検証を試みたが、一過性Tax発現に伴うアクチン動態の詳細な制御機構の解明には至らなかった。
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現在までの達成度 (区分) |
現在までの達成度 (区分)
4: 遅れている
理由
昨年度までの研究結果に加えて本年度では主にHTLV-1感染細胞の一過性Tax発現に伴う細胞骨格の変化、特にTaxとのアクチンフィラメント形成に関与するタンパク質との相互作用を検証し、一過性Tax発現に伴うアクチン動態の制御の詳細なメカニズムの解明を試みたが、有意な結果を得られていない。
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今後の研究の推進方策 |
今年度と同様に主にHTLV-1感染細胞の一過性Tax発現に伴う細胞骨格の変化、特にTaxとのアクチンフィラメント形成に関与するタンパク質との相互作用を検証し、一過性Tax発現に伴うアクチン動態の制御の詳細なメカニズムを明らかにする。 また昨年同様に①Taxの一過性発現に伴う転写因子ゲノム上分布の動態解析のためCUT&TagまたはChIP mentation ②Tax発現に伴う高次クロマチン構造の変化を検証するためのHi-C解析の手法の確立および解析を進め、一過性Tax発現に伴う宿主エピゲノム変化の全容を解明する。得られた結果は学会および論文発表する。
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