研究課題/領域番号 |
21K16281
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研究種目 |
若手研究
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配分区分 | 基金 |
審査区分 |
小区分54020:膠原病およびアレルギー内科学関連
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研究機関 | 千葉大学 |
研究代表者 |
岩本 太郎 千葉大学, 医学部附属病院, 助教 (80835083)
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研究期間 (年度) |
2021-04-01 – 2023-03-31
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研究課題ステータス |
完了 (2022年度)
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配分額 *注記 |
4,550千円 (直接経費: 3,500千円、間接経費: 1,050千円)
2022年度: 1,820千円 (直接経費: 1,400千円、間接経費: 420千円)
2021年度: 2,730千円 (直接経費: 2,100千円、間接経費: 630千円)
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キーワード | 全身性エリテマトーデス / Ⅰ型インターフェロン / B細胞 / 自己抗体 / 臓器障害蓄積 / 臨床病型 / ループス腎炎 / 自己反応性B細胞 / 自然免疫 |
研究開始時の研究の概要 |
全身性エリテマトーデス(SLE)は、難治性の全身性自己免疫疾患である。SLEの病態形成にⅠ型インターフェロン(IFN)が深く関与していることが示唆されているが、その詳細は不明である。本申請研究では、SLEの自己抗体産生及びループス腎炎(LN)の発症・病態形成におけるIFNの役割の解明を目指し、1)自己反応性B細胞の分化・活性化機構におけるIFNの役割の解析、2)LNの炎症細胞活性化及び炎症細胞と腎構成細胞との相互作用におけるIFN経路の役割の解析、3)LNにおけるポドサイト傷害におけるIFN下流分子の解析、を行い、SLEの治療ターゲットを同定し、次世代のSLE治療戦略基盤を構築する。
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研究成果の概要 |
本研究はSLEにおける自己抗体産生及びループス腎炎(LN)の発症・病態形成におけるI型インターフェロン(IFN) の役割を明らかにすることを目指した。治療前日本人SLEにおいて、IFN活性高値群は皮膚病変や血球減少と有意に相関したが、LNの有無では有意な相関を認めなかった。IFN活性高値群ではその後の臓器障害蓄積が大きいことを明らかにした。IFNとB細胞活性化因子の発現量は正の相関を示し、日本人SLEにおいてIFNの活性化とともに自己反応性B細胞が活性化していることが示唆された。本研究では日本人SLEにおけるIFN産生と臨床病型の関連を明らかにし、IFNをターゲットにした治療戦略基盤を築いた。
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研究成果の学術的意義や社会的意義 |
SLEの発症・病態形成にはIFN活性上昇が深く関わっていることが示唆されているが、IFN高活性がSLEのどのような臓器障害やその後の臓器障害蓄積に関わっているかは不明である。現在のSLE治療はステロイドなどの非特異的な免疫抑制療法が主体であり、副作用も多い。近年SLE治療薬としてIFNをターゲットにした分子標的薬が承認されたが、どのような臨床病型を持つSLEにより有効なのかは未だ不明である。本研究で日本人SLEにおけるIFN産生と臨床病型との関連等が明らかにされたことにより、IFNをターゲットにした治療の最適化戦略を築くことが期待される。
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