配分額 *注記 |
4,550千円 (直接経費: 3,500千円、間接経費: 1,050千円)
2022年度: 2,470千円 (直接経費: 1,900千円、間接経費: 570千円)
2021年度: 2,080千円 (直接経費: 1,600千円、間接経費: 480千円)
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研究実績の概要 |
COVID-19重症化リスクを反映する臨床的指標として、94論文、2549名の患者データを用いて、重症化患者の中で死亡患者では発症から入院・気管挿管までの日数が生存患者より長い傾向を発見した(Front Med.2021.)。さらに100論文、13431名の患者データを用いて、上気道からのウイルス排出期間は18.29日でその排出日数は、高齢、合併症の存在、重症、ステロイド使用で延長することを発見した(Inflamm Regenen. in press)。SARS-CoV-2蛋白のS1サブユニットが重症化に関与していると考え、COVID-19患者血清中のS1サブユニットを測定した結果、重症患者でS1サブユニットが検出された。そこで、健常者PBMCにS1サブユニットを投与しその免疫応答をCyTOF にて評価した。その結果、classical monocytes (cMos)よりIL-1β, IL-6, IL-8, TNF-α, IP-10産生が認められた。COVID-19の第一波と第二波における重症患者と健常者のPBMCをCyTOFにて解析した結果、cMosにおいてCD86やHLA-DRの低下、TLR4, Ki-67, Mx-1, CD147の上昇が確認された。同様に患者PBMCのRNAseqでもCD147やそれに関連する遺伝子発現の上昇が示唆された。そこでSARS-CoV-2の共受容体の一つとして考慮されておりその阻害抗体投与でCOVID-19重症化を改善する可能性が指摘されているCD 147に注目した。CD147をノックアウト(KO)したTHP1細胞を樹立し、S1サブユニットをふりかけた結果、炎症性サイトカイン産生が低下することを発見した。現在引き続きS1サブユニットとCD147のCOVI D-19重症化におけるインパクトや治療標的としての可能性について評価している。
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