研究課題
若手研究
関節リウマチは多数の関節に炎症を来し、関節機能の低下が問題となる病気である。近年、薬物治療の進歩により症状の改善する患者が増えてきているが、効果が不十分の患者が相当数存在することから、新たな治療法が必要である。本研究ではFGFR1と呼ばれる分子に注目し、炎症性関節炎の発症に関与する免疫機能をFGFR1が調節していると仮説を立てた。そこで実験的な関節炎および関節リウマチ患者の滑膜組織等を用いてその仮説を検証する。本研究により、既存の治療薬とは全く異なる新規の治療ターゲット候補を見出し、次世代の関節リウマチ治療戦略の基盤を構築する。
関節リウマチの病態にCD4陽性T細胞が関与しているがその詳細は不明である。我々は未治療関節リウマチ患者の末梢血CD4陽性T細胞にFibroblast growth factor receptor 1(FGFR1)が発現しており、治療により低下することを見出していた。そこで本研究は関節リウマチの病態形成におけるFGFR1陽性CD4陽性T細胞の役割を解析することを目的とした。滑膜組織の1細胞 RNA-seq解析によりFGFR1陽性細胞は炎症を惹起する機能を有することが示唆された。末梢血においても同細胞は強く活性化しており、サイトカイン賛成能も高いことが明らかとなった。今後の治療法開発が期待される。
関節リウマチは多数の関節に炎症が生じて、痛みや動きに支障が生じる疾患である。近年、薬物治療の進歩によって症状が改善する患者が増えているが、依然として症状の残る人もおり、新たな治療戦略が求められている。本研究ではFGFR1を発現するヘルパーT細胞に着目し、その機能を解析した。FGFR1陽性ヘルパーT細胞は活性化している形質を持っており、特に炎症物質を多く産生する機能があることが明らかとなった。今後、FGFR1陽性ヘルパーT細胞を標的とした治療法が確立されることで、既存の治療で改善しない関節リウマチ患者に新たな治療法を提案できる可能性がある。
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すべて 雑誌論文 (7件) (うち国際共著 3件、 査読あり 7件、 オープンアクセス 5件) 学会発表 (2件)
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