研究課題/領域番号 |
21K16309
|
研究種目 |
若手研究
|
配分区分 | 基金 |
審査区分 |
小区分54020:膠原病およびアレルギー内科学関連
|
研究機関 | 国立研究開発法人国立成育医療研究センター |
研究代表者 |
海野 浩寿 国立研究開発法人国立成育医療研究センター, 免疫アレルギー・感染研究部, リサーチアソシエイト (30595195)
|
研究期間 (年度) |
2021-04-01 – 2024-03-31
|
研究課題ステータス |
完了 (2023年度)
|
配分額 *注記 |
4,290千円 (直接経費: 3,300千円、間接経費: 990千円)
2023年度: 1,430千円 (直接経費: 1,100千円、間接経費: 330千円)
2022年度: 1,430千円 (直接経費: 1,100千円、間接経費: 330千円)
2021年度: 1,430千円 (直接経費: 1,100千円、間接経費: 330千円)
|
キーワード | 結晶シリカ / 気管支喘息 / 好中球炎症 / IL-1β / マスト細胞 / 3型自然リンパ球 / スカベンジャー受容体 / DAMPs |
研究開始時の研究の概要 |
大気中微粒子が気管支喘息やCOPDといった慢性呼吸器疾患において気道に悪影響を与えていることが知られている。結晶シリカ(シリカ)は健康被害をもたらす粉塵含有物であり、黄砂や火山灰の主成分でもある。身近で暴露を受けやすいシリカによる気道炎症のメカニズムはまだ解明されていない。この研究は、シリカの気道への影響を解析し、慢性呼吸器疾患の症状悪化のメカニズム解明と予防・治療法の開発につなげるものです。
|
研究成果の概要 |
本研究では、マウスにおいてシリカ単独吸入で生じる好中球性の気道炎症を解析することを目的した。シリカ単独の気道刺激においてIL-6、TNF-αやIL-17が気道内に産生され複合的に好中球炎症を引き起こしていることが示唆された。気道内にIL-1βの活性化はなく、インフラマソーム非依存性の炎症反応であることが推測される。さらに、 この好中球性炎症にマスト細胞や3型自然リンパ球(ILC3)が関与していることがわかった。スカベンジャー受容体は、シリカによる気道炎症において好中球ではなく好酸球の誘導に特異的に機能していることが考えられた。
|
研究成果の学術的意義や社会的意義 |
大気中の微粒子は気管支喘息やCOPDなど慢性呼吸器疾患の病態増悪を引き起こす。工業排気など人工的な原因によるものや、火山灰など自然現象に由来する数多くの微粒子が大気中に存在する。火山灰や中国大陸の砂漠からの黄砂の気道暴露は呼吸器症状の出現や増悪に関係している。シリカは火山灰や黄砂の主成分である。本研究でシリカによる気道への好中球性炎症を解析した。好中球性炎症を標的とする呼吸器疾患の治療戦略につながり、分子病態に基づいた予防法・治療法に向けた一歩になると期待される。
|