研究課題/領域番号 |
21K16336
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研究種目 |
若手研究
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配分区分 | 基金 |
審査区分 |
小区分54040:代謝および内分泌学関連
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研究機関 | 国立研究開発法人国立成育医療研究センター |
研究代表者 |
三小田 亜希子 国立研究開発法人国立成育医療研究センター, 周産期・母性診療センター, 研究員 (60887074)
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研究期間 (年度) |
2021-04-01 – 2024-03-31
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研究課題ステータス |
交付 (2022年度)
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配分額 *注記 |
4,550千円 (直接経費: 3,500千円、間接経費: 1,050千円)
2022年度: 1,040千円 (直接経費: 800千円、間接経費: 240千円)
2021年度: 3,510千円 (直接経費: 2,700千円、間接経費: 810千円)
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キーワード | 妊娠糖尿病 / FGM / 生活習慣病 / 遠隔診療 / 糖尿病 / PHR / 高血圧症 |
研究開始時の研究の概要 |
新型コロナウイルス感染症(COVID-19)の流行拡大による急速な生活習慣の変化や心理的負荷の増大は、生活習慣病を増悪させる可能性がある。受診控えによる受診頻度の低下や治療中断の増加も懸念され、流行の長期化により生活習慣病の重症化が懸念される。遠隔診療の応用が有効な可能性があるが、精度と安全性の担保についての議論は未だ根拠が不十分である。遠隔診療におけるパーソナルヘルスレコード(PHR)の利活用により、医療の時間的空間的空白を補填することで、従来の対面診療に勝る生活習慣病診療の実現が期待される。これまでの遠隔診療体制を検証し、PHRを利活用した遠隔診療の社会実装に向けたエビデンスを創出する。
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研究実績の概要 |
本邦の糖尿病患者は増加の一途だが、妊娠中の糖代謝異常である妊娠糖尿病(Gestational Diabetes Mellitus; GDM)もまた増加している。GDMは妊娠転帰が不良なだけでなく、母児ともに将来肥満や糖尿病を発症する高リスク群である。糖代謝異常の“Transgenerational epigenetic effect”を断ち切る観点から、児の胎内高血糖暴露を防ぐことは極めて重要である。 当院母性内科ではGDM診療に2018年から持続的血糖測定Continuous Glucose Monitoring(CGM)であるフリースタイルリブレを導入している。GDMに対するCGMの使用は世界的にも始まったばかりで、CGMに基づいた新たな管理指標は未だ提唱されていない。CGM の活用によって、24時間連続した血糖推移を確認できるようになっただけでなく、対面診察が難しかったコロナ禍であっても、データに基づく電話診療が実現可能であった。 2015年以降当院で分娩した単胎妊婦15,626名のうち、妊娠糖尿病と診断されたものは962名であった。GDMの主要なな周産期有害事象である在胎不当過大(Large for gestational age; LGA)の発生率はCGM導入前の2015-2018年は17.1%、CGM導入後の2019‐2022年は17.9%(p=0.40)だった。CGM導入による明らかなLGA抑制効果は認められなかった。2020年以降の新型コロナウイルス感染症の流行拡大や2021年の妊娠中の体重増加指導の目安値の改定など複数の要因が影響していることが考慮されるため、引き続き詳細な検討を行う。
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現在までの達成度 (区分) |
現在までの達成度 (区分)
3: やや遅れている
理由
新型コロナウイルス感染症流行長期化の影響を考慮し、研究参加者の抽出期間を2022年12月までに延長したため。
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今後の研究の推進方策 |
CGMによって15分ごとに記録されるGDM患者の血糖値データベースを解析するシステムを開発している。同システムを用いて妊娠転帰と関連するCGMに基づく新たな血糖管理指標の創出を目指すと同時に、CGM診療の効果が最大化される対象患者の抽出法についても検討する。
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