研究課題/領域番号 |
21K16340
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研究種目 |
若手研究
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配分区分 | 基金 |
審査区分 |
小区分54040:代謝および内分泌学関連
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研究機関 | 大阪大学 |
研究代表者 |
福田 士郎 大阪大学, 大学院医学系研究科, 助教 (00896467)
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研究期間 (年度) |
2021-04-01 – 2024-03-31
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研究課題ステータス |
完了 (2023年度)
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配分額 *注記 |
4,680千円 (直接経費: 3,600千円、間接経費: 1,080千円)
2023年度: 1,430千円 (直接経費: 1,100千円、間接経費: 330千円)
2022年度: 1,430千円 (直接経費: 1,100千円、間接経費: 330千円)
2021年度: 1,820千円 (直接経費: 1,400千円、間接経費: 420千円)
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キーワード | T-カドヘリン / アディポネクチン / エクソソーム / 血中可溶性T-カドヘリン / インスリン / 血中可溶性T-カドヘリン / T-カドヘリン |
研究開始時の研究の概要 |
膜タンパク質であるT-カドヘリンは、脂肪細胞特異的分泌因子アディポネクチンと特異的に結合し、細胞のエクソソーム(細胞外小胞)生合成・分泌を促進し、細胞および臓器保護的に働く。申請者はT-カドヘリンを測定するELISAを開発し、血中T-カドヘリンが主に遊離タンパク質として存在し、様々な臨床パラメータと関連し、さらに過剰発現によりマウス心機能を改善することを見出しつつある。 本研究では血中T-カドヘリンの存在様式、エクソソームとの関係、病態との関連、生理作用を明らかにし、アディポネクチン- T-カドヘリンシステムによる臓器保護メカニズムの解明、及び治療応用への展開をめざす。
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研究成果の概要 |
脂肪細胞特異的分泌因子アディポネクチンと結合するT-カドヘリンの可溶型フォーム(可溶型T-cad)について、ELISAによる測定系を確立し、基礎的および臨床的両面からその生理的・病態的意義の検討を行った。結果、可溶型T-cadはインスリン分泌細胞である膵β細胞を増殖させること、インスリンによる分泌制御を受けていることを明らかにした。さらに心筋梗塞患者で可溶型T-cadの血中濃度は変動し、かつ心筋梗塞範囲との関連が示された。血中可溶型T-cadの糖代謝および急性期病態における関連が示唆される。
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研究成果の学術的意義や社会的意義 |
本研究は、肥満・内臓脂肪過剰蓄積時に血中濃度が低下する脂肪細胞由来分泌因子アディポネクチンと、その結合相手であるGPIアンカー型膜タンパク質T-カドヘリンが、その可溶型分子(可溶型T-カドヘリン)の分泌制御を介して生理作用を示す可能性を探索するものである。その結果インスリン、糖代謝という肥満・内臓脂肪になじみ深い因子との関連が明らかとなり、肥満・内臓脂肪過剰蓄積病態の理解に寄与する結果であった。また臨床研究では急性期疾患における関連も示唆されており、今後、新規病態解明や治療標的につながる可能性をもつと考える。
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