研究課題/領域番号 |
21K16342
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研究種目 |
若手研究
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配分区分 | 基金 |
審査区分 |
小区分54040:代謝および内分泌学関連
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研究機関 | 香川大学 |
研究代表者 |
福長 健作 香川大学, 医学部, 助教 (70746932)
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研究期間 (年度) |
2021-04-01 – 2024-03-31
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研究課題ステータス |
完了 (2023年度)
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配分額 *注記 |
4,680千円 (直接経費: 3,600千円、間接経費: 1,080千円)
2023年度: 1,430千円 (直接経費: 1,100千円、間接経費: 330千円)
2022年度: 1,690千円 (直接経費: 1,300千円、間接経費: 390千円)
2021年度: 1,560千円 (直接経費: 1,200千円、間接経費: 360千円)
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キーワード | 成人成長ホルモン分泌不全症 / 成長ホルモン / IGF-I / 脂肪肝 / ABCA1 / FoxO1 / NAFLD/NASH / IGF-1 / ソマトメジンC |
研究開始時の研究の概要 |
成長ホルモン(GH)は成人期においても代謝調節や身体的・精神機能の維持に重要である。成人GH分泌不全症(AGHD)では体脂肪・内臓脂肪の増加を認め、高TG血症、脂肪肝・非アルコール性脂肪性肝炎(NASH)を発症する。これらは最終的に肝硬変に至る予後不良な病態で、AGHD患者での臨床的重要課題である。またGHの応答ホルモンであるIGF-IもAGHDで同様に低値になるが、IGF-I補充の有効性や機序は不明である。本研究の目的はIGF-Iが肝臓での脂質代謝に及ぼすメカニズムや、AGHDの脂肪肝・NASHに対してIGF-I投与が及ぼす効果の分子メカニズムを解析し、新たな治療法を開発することである。
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研究成果の概要 |
成人GH分泌不全症(AGHD)では脂肪肝から肝硬変に至る可能性がある。この病態でのIGF-I補充の有効性は不明で、今回研究した。HepG2ではIGF-I刺激でABCA1(TG合成と密接に関与)発現が増加し、PI3-K/Akt/FoxO1を介してABCA1転写活性を促進した。GH分泌不全マウスの肝脂肪化にIGF-I投与で肝ABCA1発現上昇、肝脂質蓄積減少、血清TG低下、HDL上昇を認めた。さらにFoxO1の検討では2-ME2やExcendiin4が発現制御に関与している可能性が示唆された。今回IGF-IがAGHDの脂肪肝に対する有効な治療戦略となる可能性を基礎実験を通して証明できた。
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研究成果の学術的意義や社会的意義 |
AGHD患者に対するIGF-Iにおける意義や詳細なメカニズムは不明で、AGHDにおける脂肪肝形成のメカニズムにおけるIGF-Iの役割を明らかにし、AGHDで引き起こされる脂肪肝/NAFLD/NASHに対し、IGF-Iを補充することで脂肪肝が改善する機序の一つを解析できた学術的意義は大きい。またAGHDにおける脂肪肝改善の新規治療戦略として、IGF-IがABCA1発現促進により、脂肪肝を抑制する可能性があるという仮説を実証し、成長ホルモン分泌不全症での臨床的課題である脂肪肝に対する有効な治療戦略となる可能性について基礎実験を通して証明できた本研究成果の社会的意義は大変大きいと考えられる。
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