研究課題/領域番号 |
21K16360
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研究種目 |
若手研究
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配分区分 | 基金 |
審査区分 |
小区分54040:代謝および内分泌学関連
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研究機関 | 川崎医科大学 |
研究代表者 |
木村 友彦 川崎医科大学, 医学部, 講師 (50454830)
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研究期間 (年度) |
2021-04-01 – 2024-03-31
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研究課題ステータス |
交付 (2022年度)
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配分額 *注記 |
4,680千円 (直接経費: 3,600千円、間接経費: 1,080千円)
2023年度: 520千円 (直接経費: 400千円、間接経費: 120千円)
2022年度: 1,690千円 (直接経費: 1,300千円、間接経費: 390千円)
2021年度: 2,470千円 (直接経費: 1,900千円、間接経費: 570千円)
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キーワード | 膵島 / 血流 / GLP-1受容体作動薬 / 虚血 / 糖尿病 / SGLT2阻害薬 / GLP-1 |
研究開始時の研究の概要 |
β細胞特異的にEGFPでラベリングしたB6.Cg-Tg(Ins1-EGFP)1Hara/J マウスの膵ラ氏島における血行動態とGLP-1 受容体作動薬の影響を、Nikon A1R-MP multiphoton confocal microscopy 下にて評価する。すなわち、GLP-1 受容体作動薬の膵島周囲血流への急性・慢性効果を検証し、一方で、GLP-1受容体作動薬慢性投与によるβ細胞機能への効果を膵島虚血に注目し評価する。また、糖尿病病態進展期では、膵β細胞だけでなく、血管GLP-1 受容体発現も低下おり、病態早期、進展期におけるGLP-1 受容体作動薬の効果の違いについても検討する。
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研究実績の概要 |
①【急性投与:正常血糖マウス】β細胞特異的にEGFPでラベリングしたB6.Cg-Tg(Ins1-EGFP)1Hara/J マウスの膵臓を露出させ、生存下にGLP-1受容体作動薬(リラグルチド)を投与し、顕微鏡にて膵島周囲血管径、血流を評価したが、急性投与では明らかな血管系の変化は認めていない。
②【急性投与:糖尿病マウス】同マウスに対し、低用量ストレプトゾトシン(STZ)を投与し糖尿病を誘発し、4週間経過した後に、顕微鏡観察下でGLP-1受容体作動薬を急性投与した。投与後の血管径は拡張傾向にあり、サンプル数をさらに増やしていく。
③【慢性投与:糖尿病マウス】同マウスに対し、低用量ストレプトゾトシン(STZ)を投与し糖尿病を誘発し、コントロール群、GLP-1受容体作動薬群に群分けし、4週間薬剤介入を行った。その後、顕微鏡下で膵島周囲血管径と血流を評価したところ、GLP-1受容体作動薬群にて血管径が大きい傾向がみられる。また、血流もコントロール群に比べ、保たれており、今後サンプル数を増やして検討していく。膵切片の免疫染色から膵島内のCD31陽性エリア(血管面積)はGLP-1受容体作動薬群にて有意に高値であった。さらにピモニダゾール染色からはGLP-1群では膵島内の虚血の程度が軽いことが示されている。
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現在までの達成度 (区分) |
現在までの達成度 (区分)
2: おおむね順調に進展している
理由
2021年度はやや遅れていたものの、2022年度は自家繁殖も順調であり、概ね当初の予定通り進んでいる。今後さらにサンプルを増やし検討していく。
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今後の研究の推進方策 |
引き続き、【急性投与:正常血糖マウス】【急性投与:糖尿病マウス】【慢性投与:糖尿病マウス】を進めていく。【急性投与:糖尿病マウス】では、血管径の拡張がみられている。 その現象がGLP-1受容体を介した作用であることを明確にするためには、NO合成酵素阻害薬を使用した状態で血管径の拡張がみられないのか確認する。
【慢性投与:糖尿病マウス】では、GLP-1受容体作動薬群では膵島内の虚血が軽く、血管面積が大きいことが証明された。この現象のメカニズムをさらに詳細に検討するために、慢性投与マウスの左心室から還流を行いDAF-CellROX投与により、膵ラ氏島のNO/ROSを顕微鏡下で検出し定量する。
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