研究課題/領域番号 |
21K16365
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研究種目 |
若手研究
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配分区分 | 基金 |
審査区分 |
小区分54040:代謝および内分泌学関連
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研究機関 | 東京医科歯科大学 |
研究代表者 |
小宮 力 東京医科歯科大学, 大学院医歯学総合研究科, 講師 (60825256)
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研究期間 (年度) |
2021-04-01 – 2023-03-31
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研究課題ステータス |
完了 (2022年度)
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配分額 *注記 |
4,680千円 (直接経費: 3,600千円、間接経費: 1,080千円)
2022年度: 2,340千円 (直接経費: 1,800千円、間接経費: 540千円)
2021年度: 2,340千円 (直接経費: 1,800千円、間接経費: 540千円)
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キーワード | miRNA / エクソソーム / 脂肪組織 / 間葉系幹細胞 / NASH / Txnip / EV / 肝硬変 |
研究開始時の研究の概要 |
肥満人口の急増から非アルコール性脂肪肝炎(NASH)の増加が必至であるが、肝硬変に至ったNASHに対する根本的な薬物治療は存在せず、重大な臨床課題となっている。近年、間葉系幹細胞を用いた再生医療が注目されており、肝硬変に対する有効性も示唆されているが、その分子機構は十分に解明されていない。本研究では、間葉系幹細胞の分泌するエクソソームが含有するmiRNAに着目し、脂肪組織間葉系幹細胞に由来し肝細胞の増殖作用を有するエクソソーム miRNAを同定し、肝硬変モデルマウスなどに対する治療効果を解析することで、miRNAによる肝臓の再生医療の可能性を検討する。
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研究成果の概要 |
脂肪細胞特異的に急性にインスリン受容体を欠損させた(iFIRKO)マウスでは、脂肪が萎縮し、続いて間葉系前駆細胞群の増加を伴って脂肪組織が再生されることが報告されている。本研究では、このときに血中エクソソームと肝臓で共通して増加するmiRNAとして、miR-144-3pとmiR-486a-3pを同定し、これらのmiRNAがTxnipの発現を抑制して肝細胞の増殖を促進することを見出した。また、miRNAの初期転写産物(pri-miRNA)の検討から、間葉系前駆細胞群の増加を伴う脂肪組織の再生過程で、これらのmiRNAがエクソソームに内包されて脂肪組織から肝臓に送達された可能性が示唆された。
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研究成果の学術的意義や社会的意義 |
脂肪組織の再生過程で、肝細胞の増殖を促進するmiRNAが血中エクソソームで増加することを明らかにし、これらは脂肪組織で増加した間葉系前駆細胞群に由来する可能性が考えられた。間葉系幹細胞には傷害臓器の再生作用が報告されているが、本研究で同定されたmiR-144-3pとmiR-486a-3pは、残存する肝細胞を増殖させることで肝硬変に対する再生治療効果を有する可能性が考えられた。
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