研究課題/領域番号 |
21K16366
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研究種目 |
若手研究
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配分区分 | 基金 |
審査区分 |
小区分54040:代謝および内分泌学関連
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研究機関 | 富山大学 |
研究代表者 |
岡部 圭介 富山大学, 学術研究部医学系, 特命講師 (00770702)
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研究期間 (年度) |
2021-04-01 – 2024-03-31
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研究課題ステータス |
完了 (2023年度)
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配分額 *注記 |
4,550千円 (直接経費: 3,500千円、間接経費: 1,050千円)
2023年度: 1,820千円 (直接経費: 1,400千円、間接経費: 420千円)
2022年度: 1,170千円 (直接経費: 900千円、間接経費: 270千円)
2021年度: 1,560千円 (直接経費: 1,200千円、間接経費: 360千円)
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キーワード | αケトグルタル酸 / 肥満 / 糖尿病 / メタボローム / エピゲノム / メタボロミクス / 肥満症 / 耐糖能異常 / メチル化 |
研究開始時の研究の概要 |
α-ケトグルタル酸(αKG, 2-オキソグルタル酸)はヒストン・DNA脱メチル化反応のコファクターとして機能し、エピジェネティックな遺伝子発現調節に大きな影響を及ぼすことが知られている。本研究課題では、αKG投与による各組織での代謝への影響およびその機序についてマウスを用いた動物実験により明らかにする。さらに健常成人を対象とした臨床研究によりαKG投与の安全性の確認、代謝への影響を検討し、最終的に肥満症・糖尿病治療への応用に発展させていく。
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研究成果の概要 |
本研究では、生体内でエネルギー代謝等に関与することが知られている代謝物であるαケトグルタル酸を投与した際の食事誘導性肥満に対する影響を検討するとともに関連する組織・臓器における代謝物の動態、遺伝子発現状況についてマウスを用いて検討を行った。以前の研究結果からは、αケトグルタル酸が肥満とそれに伴う代謝異常に対して抑制的に働くことが予想されたが、今回の研究では抗肥満効果は認められず、糖代謝異常に対する有効性も得られなかった。一方、白色脂肪組織における遺伝子発現について、αケトグルタル酸投与により一部の抗炎症マーカーの上昇と炎症マーカーの低下傾向がみられた。
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研究成果の学術的意義や社会的意義 |
本研究成果により経口的なαケトグルタル酸投与により生体組織内での代謝物濃度に変化を起こしうることが明らかとなった。肥満、糖代謝異常への有効性は認められなかったものの、先行研究においてはαケトグルタル酸の筋肉や寿命に対する好影響も示されていることから、同代謝物の臨床応用の可能性は十分にあると言える。白色脂肪組織での遺伝子発現については、先行研究に矛盾しない結果を示した。これらの点から、本研究は、αケトグルタル酸の臨床応用へ一定の役割を果たしたと言える。
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