研究課題/領域番号 |
21K16367
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研究種目 |
若手研究
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配分区分 | 基金 |
審査区分 |
小区分54040:代謝および内分泌学関連
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研究機関 | 山梨大学 |
研究代表者 |
石井 俊史 山梨大学, 大学院総合研究部, 臨床助教 (50835957)
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研究期間 (年度) |
2021-04-01 – 2023-03-31
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研究課題ステータス |
完了 (2022年度)
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配分額 *注記 |
4,680千円 (直接経費: 3,600千円、間接経費: 1,080千円)
2022年度: 2,340千円 (直接経費: 1,800千円、間接経費: 540千円)
2021年度: 2,340千円 (直接経費: 1,800千円、間接経費: 540千円)
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キーワード | 膵β細胞 / インスリン分泌 / プロスタシン / インスリン / 増殖 |
研究開始時の研究の概要 |
膵β細胞において、上皮様成長因子受容体(EGFR)はインスリン分泌と細胞増殖に関与する。プロスタシン(PRSS8)はGPIアンカ-型及び分泌型のセリンプロテアーゼで,上皮型NaチャネルやToll-like receptor 4を切断・活性化する(本研究室員ら、)ことが知られている。同様にEGFRを活性化することが報告されている。PRSS8は膵臓をはじめ全身の内分泌臓器に幅広く発現しているが、その役割の多くが未解明である。本研究では、PRSS8によるEGFRシグナル調節を介したインスリン分泌制御機構とβ細胞増殖維持効果を解明することで、これらの効果を両立した新規糖尿病治療の分子基盤構築を目指す。
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研究成果の概要 |
本研究では、これまでにPRSS8を膵β細胞特異的に発現抑制あるいは過剰発現させたマウスにおいてインスリン分泌に影響を与えることを明らかにしてきた。また、マウスインスリノーマ細胞株MIN6細胞でも同様の結果が得られ、PRSS8によってインスリン分泌が制御されることが示唆された。本研究期間では、新たに膵β細胞のPRSS8が上皮成長因子受容体(EGFR)を基質とし、EGFRの切断・活性化を介してインスリン分泌を制御していることが判明した。さらに、PRSS8の発現量や活性によって細胞増殖に影響したことから、PRSS8は膵β細胞においてインスリン分泌と細胞増殖の両者を制御していることが考えられる。
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研究成果の学術的意義や社会的意義 |
糖尿病は、膵β細胞から分泌される血糖低下ホルモンである「インスリンの分泌の減少」と、インスリンが効きづらくなる「インスリン抵抗性」を特徴する。β細胞の機能不全・減少によってインスリン分泌が低下すると、治療選択肢が制限され、治療コントロールが難しくなる。糖尿病による合併症の発症・進展を防ぐためには、β細胞の機能や細胞数を保持する治療が求められる。PRSS8はEGFRを介してインスリン分泌と細胞増殖に関与していることから、β細胞の機能不全・細胞数の減少を捉えるバイオマーカーやβ細胞の機能や細胞数を保持する治療ターゲットとなる可能性が考えられる。
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