研究課題/領域番号 |
21K16369
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研究種目 |
若手研究
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配分区分 | 基金 |
審査区分 |
小区分54040:代謝および内分泌学関連
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研究機関 | 大阪大学 |
研究代表者 |
西谷 重紀 大阪大学, 大学院医学系研究科, 助教 (30889407)
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研究期間 (年度) |
2021-04-01 – 2024-03-31
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研究課題ステータス |
完了 (2023年度)
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配分額 *注記 |
4,680千円 (直接経費: 3,600千円、間接経費: 1,080千円)
2023年度: 1,560千円 (直接経費: 1,200千円、間接経費: 360千円)
2022年度: 1,560千円 (直接経費: 1,200千円、間接経費: 360千円)
2021年度: 1,560千円 (直接経費: 1,200千円、間接経費: 360千円)
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キーワード | ケトン体 / 脂肪細胞 |
研究開始時の研究の概要 |
脂肪細胞由来ケトン体の研究は他に報告がなく、脂肪細胞のケトン体合成や脂肪細胞に対するケトン体の作用については申請者独自の研究である。ケトン体はエネルギー基質としてだけでなく、シグナル因子やエピジェネティック制御因子として作用することから、ケトン体による飢餓シグナルのメカニズムを解明することで、肥満に伴う代謝異常への治療応用につながる可能性がある。本来は飢餓状態で上昇するケトン体による飢餓シグナルを肥満病態で活性化、または阻害することで、脂肪細胞や全身の代謝状態を制御する創薬につながる可能性を想定している。
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研究成果の概要 |
脂肪細胞の生理的な機能は、摂食/絶食の生理的な栄養状態の変化に応じて余剰なエネルギーを蓄積し放出することである。全身の栄養状態変化に応じたケトン体による脂肪細胞の機能制御を解明した。結果、脂肪細胞はケトン体合成酵素Hmgcs2を発現しておりケトン体を合成・分泌すること、ケトン体はエンドクラインおよびオートクライン/パラクラインに脂肪細胞に作用して抗酸化ストレス因子・PPARg・脂肪合成・インスリンシグナルといった脂肪細胞機能を増強すること、を明らかにした。以上からケトン体は飢餓状態後のインスリン存在下での脂肪細胞機能を亢進させることで疲弊した脂肪細胞機能の回復に寄与することを想定した。
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研究成果の学術的意義や社会的意義 |
脂肪細胞は飢餓状態において脂肪分解を介して脂肪酸を供給する臓器であるが、今回の研究によって脂肪細胞はケトン体を産生することが明らかになった。さらに、ケトン体は栄養状態に応じて産生され、局所的に作用することで脂肪細胞機能を制御することが明らかになった。脂肪組織はエネルギー貯蔵臓器であることから、栄養状態を鋭敏に感知することで、脂肪細胞局所で脂肪酸分解や糖取り込み、中性脂肪蓄積が制御されることは合理的なホメオスタシス制御機構だと考えられる。ケトン体によるシグナル経路を解明することで、飢餓状態を模倣する新たな肥満病態改善薬の開発に寄与することが可能となる。
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