研究課題/領域番号 |
21K16375
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研究種目 |
若手研究
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配分区分 | 基金 |
審査区分 |
小区分55010:外科学一般および小児外科学関連
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研究機関 | 国立研究開発法人国立成育医療研究センター (2022-2023) 弘前大学 (2021) |
研究代表者 |
齋藤 傑 国立研究開発法人国立成育医療研究センター, 小児外科系専門診療部, 専門修練医 (00772013)
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研究期間 (年度) |
2021-04-01 – 2025-03-31
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研究課題ステータス |
交付 (2023年度)
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配分額 *注記 |
4,550千円 (直接経費: 3,500千円、間接経費: 1,050千円)
2024年度: 520千円 (直接経費: 400千円、間接経費: 120千円)
2023年度: 1,430千円 (直接経費: 1,100千円、間接経費: 330千円)
2022年度: 1,300千円 (直接経費: 1,000千円、間接経費: 300千円)
2021年度: 1,300千円 (直接経費: 1,000千円、間接経費: 300千円)
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キーワード | 免疫チェックポイント阻害剤 / 移植腫瘍量 / 腫瘍塊腫瘍量 / 神経芽腫 / 腫瘍体積量 / tumor mutational burden / tumor burden / 小児固形腫瘍 |
研究開始時の研究の概要 |
小児固形腫瘍の治療成績は依然生存率が低く治療抵抗性である。既存の治療のみでは効果は限定的であり、新規治療法の開発が強く望まれている。我々は、免疫チェックポイント阻害剤と“腫瘍量 (Tumor burden) ”の関係性に着目し、先行研究からTumor burdenを減ずることで免疫チェックポイント阻害剤の有効性を高める新たな適応基準が得られる可能性が示唆された。本研究では小児固形腫瘍における免疫チェックポイント阻害剤の“Tumor burden”と関連した治療効果に関する基盤的研究を行うことを目的とする。
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研究実績の概要 |
小児固形腫瘍の治療成績は依然生存率が低く治療抵抗性である。既存の治療のみでは効果は限定的であり、新規治療法の開発が強く望まれている。我々は先行研 究で、免疫チェックポイント阻害剤 (immune checkpoint inhibitor: ICI) で骨肉腫肺転移マウスモデルにおいての有効性を 確認した。この有効性には原発巣 の切除、つまり“腫瘍量 (Tumor burden) ”が治療効果に強い影響を及ぼすことが推察された。本研究では小児固形腫瘍におけるICIの“Tumor burden”と関連 した治療効果に関する基盤的研究を行うことを目的とする。細胞株は自然発生マウス神経芽腫細胞株 (Neuro-2a細胞株) 、マウスはA/Jマウス (5週齢雌) を用い た。2021年度までは、移植腫瘍量増大に伴い生存率は低下するものと予想したものの、結果としては生存率に有意差は認められず、移植量と生存率の相関は明らかとならなかったが、2022年度の実験結果により、ある程度の腫瘍塊を形成すると治療効果が著しく減弱するということが明らかになった。浮遊細胞量よりも腫瘍塊腫瘍量が治療効果に重要であるといっ た仮説がたてられた。2023年度には生存個体の再度腫瘍細胞移植により、半数以上の個体が治療なしで腫瘤を形成することなく生存することが明らかとなり、腫瘍免疫の形成が示唆された。2022-2023年度で研究成果の学会発表を行ってきた。2024年にはこれまでの成果を国際学会で発表するとともに、論文として発表する予定である。また、他の小児固形腫瘍の細胞株を用いて同様の実験を行うことで、これまでの仮説を証明していきたい。
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現在までの達成度 (区分) |
現在までの達成度 (区分)
2: おおむね順調に進展している
理由
マウス実験によりこれまで時間を要していたが、研究成果をまとめる段階となっている。
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今後の研究の推進方策 |
腫瘍塊を形成した個体に対する手術での切除、化学療 法、放射線治療といった治療介入後のICI投与についても検討する。別の小児腫瘍細胞株を用いた同様の実験も検討する。
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