研究課題/領域番号 |
21K16387
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研究種目 |
若手研究
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配分区分 | 基金 |
審査区分 |
小区分55010:外科学一般および小児外科学関連
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研究機関 | 慶應義塾大学 |
研究代表者 |
高橋 信博 慶應義塾大学, 医学部(信濃町), 講師(非常勤) (40627139)
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研究期間 (年度) |
2021-04-01 – 2025-03-31
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研究課題ステータス |
交付 (2023年度)
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配分額 *注記 |
4,550千円 (直接経費: 3,500千円、間接経費: 1,050千円)
2024年度: 1,170千円 (直接経費: 900千円、間接経費: 270千円)
2023年度: 1,040千円 (直接経費: 800千円、間接経費: 240千円)
2022年度: 1,170千円 (直接経費: 900千円、間接経費: 270千円)
2021年度: 1,170千円 (直接経費: 900千円、間接経費: 270千円)
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キーワード | 肝芽腫 / インドシアニングリーン / トランスポーター / CRISPR / レンチウイルス |
研究開始時の研究の概要 |
近年、小児の肝がんである肝芽腫においてインドシアニングリーン(indocyanine green; ICG)という薬剤の排出が遅延する性質を用いて手術中の指標にする報告が増えてきている。ICGの排出遅延が薬剤の排出にかかわる分子が少ないことに起因するのであれば同様に代謝される他の薬剤にも排泄遅延がおき、がん細胞に蓄積し、毒性を示すはずである。本研究では、それらの排出にかかわる分子の役割と肝芽腫の細胞に対する代謝を検討することで、すでに他の病気に使われている薬剤の中から、新規に肝芽腫に有効な薬剤を抽出し、再発転移をきたす難治性の肝芽腫に対する新たな治療法の創出を目指す。
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研究実績の概要 |
本研究は小児肝がんである肝芽腫においてインドシアニングリーン(ICG)排出が遅延する性質を有することから肝芽腫細胞において排出トランスポーターの発現が低下していると想定され、既知の薬剤から肝芽腫細胞のICG代謝に関わるトランスポーターで排出される薬剤を抽出し、肝芽腫細胞に対する代謝を検討することで、再発転移肝芽腫に対する新規治療薬を提唱することを目的としている。研究の概要としては1)トランスポーターの遺伝子ノックアウト細胞株の樹立、2)樹立した細胞株において既存薬剤によるスクリーニングによる候補薬剤の選定、3)候補薬剤のIn vitro、In vivoにおける検証である。 2021年度までの成果としては、排出トランスポーターであるABCB11に着目し、肝芽腫細胞株であるHepG2においてCRISPRレンチウイルスを用いてABCB11のノックアウト細胞株を作成した。また、ICG取り込みの評価法の確立や薬剤スクリーニングのための増殖アッセイの条件検討、動物実験の条件検討を行った。 2022年度はノックアウトした細胞株のシングルセルクローンを樹立し、ノックアウトの検証を行った。ウエスタンブロットを中心とした解析にて種々の条件検討を行ったが、DNAシーケンスにてDNAの変異は認めるもののタンパク発現の低下が確認できず難渋した。その原因として、肝芽腫細胞株ではトランスポーターの発現量が低値であることが考えられた。 2023年度は上記問題点を解決するため、不死化正常肝細胞を用いて同様にノックアウトを行った。一方でノックアウト細胞株は樹立できたものの、ノックアウトの検証において再現性のある結果を得ることができず、難渋している。 2024年度はノックアウトのよる検証が困難であることから、強制発現の系を用いて検証する予定である。
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現在までの達成度 (区分) |
現在までの達成度 (区分)
4: 遅れている
理由
当初肝芽腫細胞株を用いてノックアウト細胞株を樹立したが、ノックアウトを検証する段階で難渋し、様々な条件検討を行った。その原因としてそもそも肝芽腫細胞株がトランスポーターの発現が低いことが理由と考えられ、不死化正常肝細胞を用いる方法へ変更することとした。不死化正常肝細胞にて同様にノックアウトを行ったものの、ノックアウトを検証する段階での検証が再現性のある結果とはならず、またノックアウトによる明らかな表現型の差異は認めず、難渋している。
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今後の研究の推進方策 |
今後はノックアウトの手法から、強制発現の系に変更して検証していく予定である。
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