研究課題/領域番号 |
21K16408
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研究種目 |
若手研究
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配分区分 | 基金 |
審査区分 |
小区分55010:外科学一般および小児外科学関連
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研究機関 | 東京大学 (2023) 東京慈恵会医科大学 (2021-2022) |
研究代表者 |
井廻 良美 東京大学, 医科学研究所, 特任助教 (20649040)
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研究期間 (年度) |
2021-04-01 – 2025-03-31
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研究課題ステータス |
交付 (2023年度)
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配分額 *注記 |
4,680千円 (直接経費: 3,600千円、間接経費: 1,080千円)
2023年度: 1,430千円 (直接経費: 1,100千円、間接経費: 330千円)
2022年度: 2,210千円 (直接経費: 1,700千円、間接経費: 510千円)
2021年度: 1,040千円 (直接経費: 800千円、間接経費: 240千円)
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キーワード | DYRK2 / 乳癌 / AR / 腫瘍増殖 / 腫瘍浸潤 |
研究開始時の研究の概要 |
DYRK2はリン酸化酵素であり、DYRK2の発現が低い乳癌では細胞増殖能、浸潤能が高く、悪性度が高くなっている。そこで、申請者らはDYRK2の発現の低い乳癌で、治療効果の高い薬剤があるかを調べるため、マイクロアレイを用いて、DYRK2が制御する転写因子を網羅的に探索する。その発現制御機構の解明を通して、本研究では、DYRK2の発現の低い、すなわち悪性度の高い乳癌に特異的な治療法の開発を目指す。
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研究実績の概要 |
DYRK2はリン酸化酵素であり、DYRK2の発現が低い乳癌では細胞増殖能、浸潤能が高く、悪性度も高くなっている。そこで、本研究ではDYRK2の発現の低い乳癌で、治療効果の高い薬剤があるかを調べるため、マイクロアレイを用いて、DYRK2が制御する転写因子を網羅的に探索し、乳癌細胞株を用いた生化学的解析により、その発現制御機構を明らかにすることを目標にかかげている。 これまでの研究から、マイクロアレイを用いて、DYRK2によって制御を受ける遺伝子を網羅的に探索した結果、代表的なヒト乳癌細胞株であるMCF-7では、DYRK2の発現を抑制すると、転写因子であるAndrogen receptor (AR) の活性が増加し、より低濃度のAR阻害剤で腫瘍増殖が抑制されることが判明している。 2021年度は、DYRK2の発現の高低が種々のAR阻害剤の抗腫瘍効果の発現に寄与しているかを明らかにする為に、乳癌細胞株におけるDYRK2の発現量とAR阻害剤治療効果の相関を検討した。DYRK2の発現が低い乳癌細胞株(MDA-MB-231細胞など)、高い乳癌細胞株(MCF-7細胞など)、DYRK2を発現抑制した乳癌細胞株にAR阻害剤を作用させ、MTSアッセイを用いて、腫瘍細胞増殖能や各種薬剤耐性の変化を測定した。 2022年度・2023年度も引き続き、DYRK2の発現量が異なる乳癌細胞株にAR阻害剤を添加し、 MTSアッセイを用いて、腫瘍細胞増殖能や各種薬剤耐性の変化を測定した。
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現在までの達成度 (区分) |
現在までの達成度 (区分)
3: やや遅れている
理由
2023年度は、当初2021年度に予定していた、DYRK2によるARの活性制御機構に焦点をあて、ARレポーターアッセイを用いて、実際の乳癌細胞株において、DYRK2の発現量とAR活性に相関があるのか、解析を行い、乳癌細胞株にて、転写因子ARの抗体を用いてクロマチン免疫沈降 (ChIP) を行い、更に解析を進める予定であったが、2022年度に続いて、乳癌細胞株におけるDYRK2の発現量とAR阻害剤治療効果の相関の検討を行った。
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今後の研究の推進方策 |
当初2021年度に予定していた、DYRK2によるARの活性制御機構に焦点をあてた解析を行う。ARレポーターアッセイを用いて、実際の乳癌細胞株において、DYRK2の発現量とAR活性に相関があるのか、解析を行い、乳癌細胞株にて、転写因子ARの抗体を用いてクロマチン免疫沈降 (ChIP) を行い、更に解析を進める。
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