研究課題/領域番号 |
21K16409
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研究種目 |
若手研究
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配分区分 | 基金 |
審査区分 |
小区分55010:外科学一般および小児外科学関連
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研究機関 | 東京女子医科大学 |
研究代表者 |
平井 敏仁 東京女子医科大学, 医学部, 准教授 (70722693)
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研究期間 (年度) |
2021-04-01 – 2025-03-31
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研究課題ステータス |
交付 (2023年度)
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配分額 *注記 |
4,680千円 (直接経費: 3,600千円、間接経費: 1,080千円)
2023年度: 1,170千円 (直接経費: 900千円、間接経費: 270千円)
2022年度: 1,170千円 (直接経費: 900千円、間接経費: 270千円)
2021年度: 2,340千円 (直接経費: 1,800千円、間接経費: 540千円)
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キーワード | 調節性T細胞 / 移植免疫寛容 / IL-2 / Treg細胞 / 細胞エンジニアリング / 臓器移植 / 免疫抑制 |
研究開始時の研究の概要 |
リンパ節アブレーション(Total lymphoid irradiation:TLI)を利用した免疫寛容誘導モデルに、変異IL-2受容体を導入した改変Treg細胞の養子導入を取り入れる。この変異IL-2受容体に特異的に作用する変異IL-2サイトカインを投与することで、移入改変Treg細胞を生体内で刺激し、移植片の拒絶を抑制できるかを調べる。本研究では、基礎免疫療法にタクロリムスを利用した、より実臨床に近い条件で実験を成立させることで、本邦での移植臓器免疫寛容誘導の臨床試験実施への足がかりとする。
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研究実績の概要 |
IL-2は調節性T(Regulatory T:Treg)細胞の生存、増殖にとって必須である。Stanford大学KCガルシア研究室では、お互いが特異的に反応するが野生型には反応しない変異IL-2サイトカイン/サイトカイン受容体ペア(ortho IL-2/ortho IL-2R)を開発した。我々はStanford大学との共同研究で、ortho IL-2刺激により事前にex vivoでorthoIL-2Rを遺伝子導入されたTreg細胞(ortho Treg)を、in vivoで特異的に活性化できることを確認した。このortho Treg / ortho IL-2療法をマウス骨髄移植モデルに適応すると骨髄移植片の生着が促進される。作成された骨髄キメラマウスは同一ドナーからの心臓移植片を拒絶しない、いわゆる免疫寛容状態を確立する。この免疫寛容誘導療法を応用すれば免疫抑制剤なしでの臓器移植が可能となるが、臨床試験を想定すると移植直後は通常の免疫抑制剤を使用する方が安全である。しかしながら、従来の臓器移植で用いられているタクロリムス(FK)は、IL-2シグナルを抑制することで免疫抑制機能を発揮するため、Treg細胞も抑制してしまう。本研究では、FK投与下にortho IL-2を投与することで、拒絶に関与するT細胞全般を抑制したまま移入Treg細胞のみ選択的に刺激できないかを検証した。ここまでの研究で、FKとortho IL-2併用によりTreg細胞が濃縮し、骨髄移植後の免疫寛容誘導効率が改善することを証明した。本研究ではさらに骨髄キメラ法によらない臓器移植での最適なTreg細胞療法を確立するため、ヒト腎移植拒絶反応組織の免疫多重染色解析を行い、移植腎でのTreg細胞の局在と細胞間相互作用を検証している。これまでのところ、抗体関連型拒絶反応においてはT細胞よりも自然免疫の担い手であるマクロファージが重要な働きをしていることがわかった。これらの知見から、新しい治療ターゲットの検証を進めている。
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現在までの達成度 (区分) |
現在までの達成度 (区分)
2: おおむね順調に進展している
理由
マウス骨髄移植実験モデルでのProof of Concept実験は順調に進行し、学会報告、論文報告を行うことができた。しかしながら、臓器移植モデルにおけるortho Treg /ortho IL-2療法の拒絶反応抑制効果は十分とは言えなかった。そこで実際の腎移植での拒絶反応におけるTreg細胞の局在を明らかとするため、免疫多重染色によるTreg及びその他の細胞腫のInteraction解析を進めている。
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今後の研究の推進方策 |
臨床腎移植検体から、移植腎組織内のTreg細胞の数はわずかであり、その機能増強だけでは臓器移植モデルでの免疫制御は難しい可能性が示唆されている。一方で、抗体関連型拒絶反応では特殊なマクロファージが重要な役割を果たすことが明らかとなったため、Treg細胞においてこれを制御可能かどうか、Molecular解析を継続する。
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