研究課題/領域番号 |
21K16412
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研究種目 |
若手研究
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配分区分 | 基金 |
審査区分 |
小区分55010:外科学一般および小児外科学関連
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研究機関 | 独立行政法人国立病院機構(呉医療センター臨床研究部) |
研究代表者 |
森本 博司 独立行政法人国立病院機構(呉医療センター臨床研究部), その他部局等, 医師 (20846860)
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研究期間 (年度) |
2021-04-01 – 2025-03-31
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研究課題ステータス |
交付 (2023年度)
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配分額 *注記 |
3,900千円 (直接経費: 3,000千円、間接経費: 900千円)
2023年度: 1,430千円 (直接経費: 1,100千円、間接経費: 330千円)
2022年度: 1,040千円 (直接経費: 800千円、間接経費: 240千円)
2021年度: 1,430千円 (直接経費: 1,100千円、間接経費: 330千円)
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キーワード | ワクチン / 臓器移植 / 血液型不適合 / 脱感作療法 / リツキシマブ |
研究開始時の研究の概要 |
臓器移植後などの免疫抑制状態の患者にとって、ワクチンによる免疫の獲得は重要課題である。ABO血液型不適合臓器移植においては、抗血液型抗体産生細胞を抑制するための術前脱感作療法として抗CD20モノクローナル抗体(リツキシマブ)を投与しB細胞を非特異的に抑制するため、通常の臓器移植患者と比較してより高度な免疫抑制状態となり、ワクチン接種後の免疫獲得能は著しく低下する。 本研究では、リツキシマブの代わりに抗CD1d抗体を用いて血液型抗体産生に関わるB細胞サブセットのみ特異的にブロックし、免疫獲得に必要なB細胞サブセットを温存することで、ワクチンの効果を保持することができる脱感作療法の開発を目指す。
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研究実績の概要 |
ABO血液型不適合臓器移植では、術前脱感作療法による抗血液型抗体産生細胞の抑制が不可欠であり、抗CD20モノクローナル抗体(リツキシマブ)を使用するプロトコールがスタンダードとなっている。しかし、リツキシマブによる非特異的なB細胞の抑制状態は術後も長期にわたって続くため、ワクチンによる免疫獲得能は著明に低下する。そこで、リツキシマブの代わりに抗CD1d抗体を用いて血液型抗体産生に関わるB細胞サブセットのみを特異的にブロックすることにより、抗血液型抗体の抑制を維持しつつワクチンによる免疫獲得能を保持できる可能性を探るのが本研究の目的である。抗CD1d抗体投与により血液型抗体産生を抑制し、かつワクチンの効果が保持されるという仮説を証明するため、以下のような検討を行う予定である。 ①抗体価測定系の確立 野生型C57BL/6マウスにヒト赤血球と、仮想不活化ワクチンとして卵白アルブミン(OVA)を免疫し、抗血液型抗体、抗OVA抗体を測定する系を作成する。 ②抗CD1d抗体投与と抗体価測定、フェノタイプ解析 C57BL/6マウスを3グループに分け、それぞれにIsotype control、抗CD20抗体(リツキシマブ)、抗CD1d抗体を投与(Day0)した後、ヒトA型赤血球とOVAで2回免疫を行う(Day1, Day8)。免疫後2週(Day22)、6週(Day50)で抗A抗体・抗OVA抗体の産生状況を確認する。末梢血中B細胞フェノタイプ解析も同時に行う。ワクチンとして、H-2Kb拘束性OVA由来の抗原ペプチドと免疫賦活剤とエマルジョン化し、C57BL/6マウスに腹腔免疫する。また、T-Select H-2Kb OVA Tetramer(TS5001-1C)を用い、CD8陽性細胞中のTetramer陽性細胞率(%)を評価する。
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現在までの達成度 (区分) |
現在までの達成度 (区分)
4: 遅れている
理由
研究施設において新型コロナウイルスクラスターが複数回発生し、実験開始が困難であったため。
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今後の研究の推進方策 |
新型コロナウイルスクラスター発生の危険は常にあるが、研究施設常駐の研究員に協力を依頼し、研究責任者が実動不可能な場合にも実験遂行可能な状態になるよう調整中である。
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