研究課題/領域番号 |
21K16413
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研究種目 |
若手研究
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配分区分 | 基金 |
審査区分 |
小区分55020:消化器外科学関連
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研究機関 | 東北大学 |
研究代表者 |
郷右近 祐介 東北大学, 医学系研究科, 大学院非常勤講師 (00899099)
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研究期間 (年度) |
2021-04-01 – 2025-03-31
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研究課題ステータス |
交付 (2023年度)
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配分額 *注記 |
4,550千円 (直接経費: 3,500千円、間接経費: 1,050千円)
2024年度: 1,300千円 (直接経費: 1,000千円、間接経費: 300千円)
2023年度: 1,300千円 (直接経費: 1,000千円、間接経費: 300千円)
2022年度: 1,040千円 (直接経費: 800千円、間接経費: 240千円)
2021年度: 910千円 (直接経費: 700千円、間接経費: 210千円)
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キーワード | バレット食道癌 / グルココルチコイド / 食道癌 / Glucocorticoid receptor / グルココルチコイド受容体 / Barrett食道癌 / Glucocorticoid |
研究開始時の研究の概要 |
Barrett食道癌は胃酸と胆汁酸の暴露による慢性炎症により発生し、悪性度が高い。Glucocorticoids(GCs)は細胞内でGC receptor (GR)と結合し標的遺伝子の転写活性を調節することで、抗炎症作用を発揮する。申請者は GRの高発現が独立したBarrett食道癌の予後良好因子であることを明らかにし、GRの抗炎症作用が予後を改善したものと推定した。本研究は安価で汎用されているGCsが Barrett食道癌の発症予防や治療に応用可能かどうかが明らかにすることを目的としており、Barrett食道癌の予防・治療に大きな革新をもたらすことが期待される。
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研究実績の概要 |
先行研究にてBarrett食道癌におけるグルココルチコイドレセプターの発現を免疫組織化学的に検討し、Barrett食道癌ではグルココルチコイドレセプター発現が予後良好因子であることを報告しており、実際の癌細胞株で同様の効果が示されるかどうかを確認するためBarrett食道癌の細胞株4種類(OE33、ESO51、SKGT-4、OACM5.1)を培養し、デキサメタゾン負荷による細胞増殖試験を行った。 うち デキサメタゾン濃度は1nM,10nM,100nM,1μMの4種類を設定し、コントロールとしてDMSO1μMを用いた。薬剤投与24時間後24・48・72時間後の腫瘍増殖能をWSTassayにて評価した。
OE33ではデキサメタゾン投与72時間後においての濃度依存性に軽度の腫瘍増殖効果が認められた。また、OACM5.1についてはデキサメタゾン1μMの高濃度でDMSOと比較して腫瘍増殖抑制効果が確認されたものの、どちらも統計学的に有意な差は認められなかった。すべての細胞株において24時間後・48時間後では明らかな増殖抑制効果は認められず。72時間後においても他の細胞株(SKGT-4、ESO51)においては明らかな腫瘍増殖抑制効果は認められなかった。それぞれの培養上清内のサイトカイン濃度測定を検討しており、得られた弱い測定効果が腫瘍細胞からのサイトカイン抑制によって得られたものかどうかを検証できるものと考えている。 現時点ではデキサメタゾン単独ではBarrett食道癌細胞株の増殖抑制効果は非常に弱いと思われた。
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現在までの達成度 (区分) |
現在までの達成度 (区分)
3: やや遅れている
理由
デキサメタゾン負荷によって期待していた増殖抑制効果が確認されなかった。
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今後の研究の推進方策 |
GRのノックダウンやノックアウト細胞株を用いての増殖能の比較や、増殖能だけでなく浸潤能等の比較なども必要かと思われた。また、サイトカイン添加やCAFとの共培養なども検討している。
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