研究課題/領域番号 |
21K16418
|
研究種目 |
若手研究
|
配分区分 | 基金 |
審査区分 |
小区分55020:消化器外科学関連
|
研究機関 | 大阪大学 |
研究代表者 |
富原 英生 大阪大学, 大学院医学系研究科, 招へい教員 (30724231)
|
研究期間 (年度) |
2021-04-01 – 2023-03-31
|
研究課題ステータス |
完了 (2022年度)
|
配分額 *注記 |
4,680千円 (直接経費: 3,600千円、間接経費: 1,080千円)
2022年度: 2,340千円 (直接経費: 1,800千円、間接経費: 540千円)
2021年度: 2,340千円 (直接経費: 1,800千円、間接経費: 540千円)
|
キーワード | 癌幹細胞 / 肝細胞癌 / 血中循環腫瘍細胞 / PMEAコーティング / CTC / 培養 / 遺伝子変異 / 治療抵抗性 |
研究開始時の研究の概要 |
癌幹細胞の駆逐は究極の癌治療と考えられる。本邦が好発地域である肝細胞癌についてはCD133やEpCAMなど表面抗原を用いた癌幹細胞同定の研究が進められてきた。申請者らは、これまでにPDXをばらして、スフェロイドを作成し、癌幹細胞を含む少数の細胞塊からマウスに腫瘍を作成する技術を確立してきた。この技術を発展させ低侵襲的な採血のみで血中腫瘍細胞からタイムリーに癌幹細胞を捕獲することができれば、手術適応のない全身癌の状態でも癌幹細胞の弱点を攻略し得る情報が得られる。本研究では、肝細胞癌患者の血液から癌幹細胞を同定・分析し、肝細胞癌に対する薬剤治療抵抗性を解除することを目指す。
|
研究成果の概要 |
血液細胞をはじき癌細胞に接着する特殊コーティングを施したスライド上で、肝細胞癌患者の血液中の癌細胞を捉えるシステムを構築した。癌幹細胞を培養するメディウム中で培養すると癌幹細胞を含むスフェロイド様の増殖細胞を得ることができる。2年間で肝細胞癌症例11例の血液を分析し、全例で癌細胞を検出できた。血液は20ml採取して4-40個(中央値14個)の癌細胞がみつかった。培養は7-10日間行い、スフェロイド様の細胞を回収し、当初細胞数が少なく、RNAが分解したが、種々工夫し遺伝子発現を半定量的に測定できるようになった。
|
研究成果の学術的意義や社会的意義 |
肝細胞癌の予後は未だ不良で治療も十分とはいえない。治療抵抗性の原因として癌幹細胞の関与が考えられている。本研究では、手術に比べてはるかに低侵襲な採血だけで、肝細胞癌を捉え、癌幹細胞を培養することで、その性質を分析し治療に応用することを目的として、11人の癌患者からの血液サンプルを分析した。血液中から少数の癌細胞をうまく捉え、それを増殖させて癌幹細胞を捉える、更に分子生物学的に分析するといった各ステップで大きなハードルがあったが、種々の工夫によってクリアできた。本研究の成果は癌患者の血液からリアルタイムに癌細胞を採取し分析する方法を確立したもので、医学的、学術的にも大きな成果である。
|