研究課題/領域番号 |
21K16420
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研究種目 |
若手研究
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配分区分 | 基金 |
審査区分 |
小区分55020:消化器外科学関連
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研究機関 | 神戸大学 |
研究代表者 |
永田 真知子 神戸大学, 医学研究科, 医学研究員 (70899088)
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研究期間 (年度) |
2021-04-01 – 2023-03-31
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研究課題ステータス |
完了 (2022年度)
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配分額 *注記 |
4,680千円 (直接経費: 3,600千円、間接経費: 1,080千円)
2022年度: 1,430千円 (直接経費: 1,100千円、間接経費: 330千円)
2021年度: 3,250千円 (直接経費: 2,500千円、間接経費: 750千円)
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キーワード | 大腸癌 / 腫瘍免疫微小環境 / CD4+T細胞 / 濾胞ヘルパーT細胞 / 抗腫瘍免疫応答 / 三次リンパ構造 / レジデントメモリーT細胞 / 免疫チェックポイント阻害剤 / CAR-T細胞 / 養子免疫療法 / 細胞障害性 |
研究開始時の研究の概要 |
本研究では、異所性リンパ構造であるTertiary lymphoid structure (TLS)の形成において重要な役割を果たす濾胞性ヘルパーT (Tfh) 細胞とレジデントメモリー様腫瘍浸潤T(RM-like T)細胞に着目し、次世代型CAR-T療法のプロトタイプの作成を目的とする。大腸癌マウスモデルでの、RM-like T細胞の誘導機構、Tfh細胞による養子免疫療法の効果、さらに、ヒト大腸癌切除標本におけるRM-like T細胞とTLS構造およびTfh細胞との相関性を明らかにする。大腸癌免疫微小環境に注目し、この制御に基づく養子免疫療法を提案し、治療成績の向上を目指す。
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研究成果の概要 |
腫瘍免疫応答における濾胞ヘルパーT細胞を中心として、CD4+T細胞の抗腫瘍免疫応答における役割を明らかにするための研究である。まず、大腸癌+肥満マウスでは、CD4+T細胞の減少を示すことができた。これらの減少にはIL-21産生の低下を認めることはなかったが、細胞障害性機能の著明な低下を認め、少なくともこれが肥満マウスにおける大腸癌増悪の可能性を示していることが明らかとなった。Tfhの誘導法や機能に関しての成果を得たが、現在、研究は継続中であり、今後、成果を発表していきたい。同様に大腸癌組織の成果も現在、継続中である。
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研究成果の学術的意義や社会的意義 |
大腸癌では、腫瘍浸潤を示すImmunoscoreなど、免疫の状態が予後に関連する一方で、ICIの適応は限定的である。固形腫瘍におけるCAR-T療法は前述の通り、一定の効果を出すに至 っていない。非B細胞系悪性腫瘍に対する効果的なCAR-T細胞療法の開発には、 (1) CARタンパク工学に関連する技術開発、(2) CARまたは腫瘍特異的T細胞受容体 の精度を上げる技術、(3) T細胞とTMEとの相互作用を最適化する技術である。免疫抑制、抗原逃避、および固形腫瘍への進入に対する物理的障壁などの腫瘍防御機構を克服するために、より洗練された工学的アプローチが必要である。
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