研究課題/領域番号 |
21K16421
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研究種目 |
若手研究
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配分区分 | 基金 |
審査区分 |
小区分55020:消化器外科学関連
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研究機関 | 鳥取大学 |
研究代表者 |
花木 武彦 鳥取大学, 医学部附属病院, 助教 (30788592)
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研究期間 (年度) |
2021-04-01 – 2023-03-31
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研究課題ステータス |
完了 (2022年度)
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配分額 *注記 |
4,550千円 (直接経費: 3,500千円、間接経費: 1,050千円)
2022年度: 2,340千円 (直接経費: 1,800千円、間接経費: 540千円)
2021年度: 2,210千円 (直接経費: 1,700千円、間接経費: 510千円)
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キーワード | 膵癌 / 高血糖 / 糖尿病 / aPKC / 細胞極性 / TAP/TAZ経路 / YAP/TAZ / YAP / TAZ / 上皮間葉転換 / YAP/TAZ経路 |
研究開始時の研究の概要 |
申請者は、細胞極性制御因子であるaPKCの活性化により、膵癌細胞の増殖、転移・浸潤が惹起されることを先行研究で報告していますが、膵癌の危険因子である、喫煙・肥満・糖尿病の生体に対する共通した影響として「高血糖状態が持続」する点にも注目しています。予備的な実験から、高血糖に伴う膵癌細胞の極性変化と極性制御因子の活性化を確認しており、このような変化の背景にYAP/TAZ経路の活性化が関わるかを探索することが本研究の目的です。高グルコース刺激が膵癌の発生と進展に関わることが明らかとなれば、膵癌の発生や進展に対する新たな予防・治療法の分子基盤の確立に貢献でき、医学界への波及効果が期待されます。
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研究成果の概要 |
極めて難治癌である膵癌において、高血糖刺激による細胞極性制御蛋白(aPKC)の活性化と癌遺伝子であるYAP/TAZ経路の活性化を介した癌促進的な作用を検証することが本研究課題の目的である。膵癌の危険因子となっている肥満や糖尿病の癌に対する作用として、高血糖に注目し膵癌の進展との関連性を調べた報告は過去ないが、本研究課題によるメカニズム解明により、aPKCが膵癌制御における新たな分子標的となる可能性が示された。また、本研究課題で得られた知見は、膵癌以外の癌腫における進展機構の分子基盤の理解の深化につながることも期待され、臨床応用につながる可能性があるものと考える。
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研究成果の学術的意義や社会的意義 |
本研究課題により、難治性膵癌における高血糖刺激による細胞極性制御蛋白の一つであるaPKCの異常な活性化と、これに伴うYAP/TAZシグナル経路を介した膵癌進展制御機構の一端を示した。高血糖刺激の持続、即ち糖尿病は、種々の癌の危険因子であることが知られているが、その詳細な関連は不明な点も多いというのが実際である。しかし、本研究課題で解明した知見は、今後の癌診療、研究の深化に寄与するものと思われる。またさらに研究が進むことで、aPKCを標的分子とする膵癌制御方法が見出されれば、膵癌の発生や進展に対する新たな予防・治療法の分子基盤の確立に貢献でき、医学界への波及効果も期待されるものと考える。
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