研究課題/領域番号 |
21K16431
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研究種目 |
若手研究
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配分区分 | 基金 |
審査区分 |
小区分55020:消化器外科学関連
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研究機関 | 東北大学 (2022-2023) 東北医科薬科大学 (2021) |
研究代表者 |
村上 圭吾 東北大学, 医学系研究科, 講師 (60742707)
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研究期間 (年度) |
2021-04-01 – 2025-03-31
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研究課題ステータス |
交付 (2023年度)
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配分額 *注記 |
4,550千円 (直接経費: 3,500千円、間接経費: 1,050千円)
2023年度: 260千円 (直接経費: 200千円、間接経費: 60千円)
2022年度: 2,730千円 (直接経費: 2,100千円、間接経費: 630千円)
2021年度: 1,560千円 (直接経費: 1,200千円、間接経費: 360千円)
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キーワード | 大腸癌 / tumor deposit / 3次元画像解析 / 壁外非連続性癌進展病巣 / 組織学的分類 |
研究開始時の研究の概要 |
大腸癌リンパ節領域に観察される「リンパ節構造のない壁外非連続性癌進展病巣」(以下、ND)の組織診断において病理医間の診断一致率は低い。その原因は、ND病変のうち、「静脈/神経への侵襲を伴う」ND(V+/Pn+)の病態認識が不十分であるためと考えられる。 本研究では、パラフィン包埋ブロック検体の連続切片から高解像度3次元画像を構築し、癌病巣の微細な内部構造を検討して得られる解析を通して、ND、特にND(V+/Pn+)の形成機序および原発巣との関係性を解明する。実用的なND新分類法を作成し、臨床病理における組織診断の統一化および大腸癌術後治療の標準化を図る。
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研究実績の概要 |
本研究では、大腸癌領域リンパ節の範囲内に観察される「リンパ節構造のない壁外非連続性癌進展病巣」(以下、ND)の内、「静脈および/または神経への侵襲を伴う」<ND(V+/Pn+)>の本体解明を目的とする。共同研究施設である英国リーズ大学病理学、デジタルパソロジー部門で開発された画像構築プログラムを用いて、連続ガラス切片から得られる2次元マッピングデータを高解像度な3次元画像へと再構築する。3次元画像を詳細に解析することでND(V+/Pn+)の本態解明を図り、ND新分類法の作成に繋げる。 大腸癌手術症例3症例分のパラフィン包埋ブロックから計2,000枚を超える連続ガラス切片を作製し、特殊染色を完了した。ガラス標本をヴァーチャルスライド化し、デジタル画像上で、癌・血管・リンパ管・神経などの領域毎にマッピングする作業(アノテーション)も完了し、3次元画像を再構築することができた。もう一つの共同研究先であるドイツのアウウブルグ大学で作製された連続切片ガラス標本(約500枚)を用いて3次元画像作成を試みたが、ガラス標本の質が良好とは言えず、3次元化には至らなかった。 本研究における臨床病理学的データ元となるFOxTROT試験の臨床結果が2023年3月に発表された (J Clin Oncol. 2023 Mar 10;41(8):1541-1552. doi: 10.1200/JCO.22.00046)。今後は、上記試験の病理学的データと3次元画像解析から得られたND分類方法の妥当性に関して統計解析が行われる予定である。 本研究により得られる知見は、NDの実用的な組織診断分類法の作成、臨床現場における病理組織診断の統一化に繋がり得る。転移陽性リンパ節として扱うことが規定されているNDの病理診断一致率が低い現況において、術後補助化学療法対象者の適切な選別を目指す。
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現在までの達成度 (区分) |
現在までの達成度 (区分)
3: やや遅れている
理由
2021~2022年度にかけて、COVID-19パンデミックの影響により当初の計画に変更を加えざるを得なかった。また、本研究で使用する病理学的データの元となるFOxTROT試験の臨床結果公開が大幅に遅れたため。
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今後の研究の推進方策 |
3次元画像再構築から得られた知見を基に統計解析を進める。 統計解析結果を学会、論文で発表する。
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