研究課題/領域番号 |
21K16438
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研究種目 |
若手研究
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配分区分 | 基金 |
審査区分 |
小区分55020:消化器外科学関連
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研究機関 | 愛知県がんセンター(研究所) |
研究代表者 |
奥野 正隆 愛知県がんセンター(研究所), 分子診断TR分野, 研究員 (80896689)
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研究期間 (年度) |
2021-04-01 – 2024-03-31
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研究課題ステータス |
交付 (2022年度)
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配分額 *注記 |
4,680千円 (直接経費: 3,600千円、間接経費: 1,080千円)
2023年度: 1,690千円 (直接経費: 1,300千円、間接経費: 390千円)
2022年度: 1,560千円 (直接経費: 1,200千円、間接経費: 360千円)
2021年度: 1,430千円 (直接経費: 1,100千円、間接経費: 330千円)
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キーワード | 肝臓癌 / PDXモデル / PDC / プロテオミクス / 細胞表面タンパク質 / 多層オミクス解析 / CRISPR-Cas9 / 合成致死 / 分子標的治療 / 薬剤感受性予測バイオマーカー |
研究開始時の研究の概要 |
切除不能進行肝臓癌に対する有効な化学療法は限られており、革新的なアプローチによる新規治療法の開発が急務である。本研究では、肝臓癌患者から外科手術により採取された腫瘍検体を用いて、患者腫瘍組織移植(PDX)モデルを作成し、サーフェスオーム解析とリン酸化タンパク解析による活性化シグナル経路同定を中心とした網羅的多層プロテオーム解析を行う。これにより、肝臓癌の分子背景の解明から、薬剤感受性予測バイオマーカーや革新的細胞表面分子治療標的群を同定し、肝臓癌の克服を目指す。
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研究実績の概要 |
肝臓癌はもっとも予後が不良な固形癌のひとつである。近年のゲノム解析技術の目覚ましい進歩にもかかわらず、切除不能進行肝臓癌に対する有効な化学療法は限られており、革新的なアプローチによる新規治療法の開発が急務である。そこで、本研究では、プロテオミクスを用いた革新的なアプローチによって、肝臓癌の克服に取り組む。細胞表面タンパク質は、癌において機能的に重要な役割を果たしているだけでなく、その局在から、直接的な治療標的としても非常に有望である。細胞表面タンパク質は細胞内タンパク質に比べて極めて微量であることから、本研究では肝臓癌患者から外科手術によって採取された腫瘍検体を用いて患者腫瘍組織移植(patient-derived xenograft; PDX)モデルを樹立し、PDX腫瘍を用いて細胞表面タンパク質(サーフェスオーム)解析とリン酸化タンパク質解析による活性化シグナル経路同定を中心とした網羅的多層プロテオーム解析を行う。 現在までに肝臓癌6症例についてPDXモデルを作成し、このうち1症例においては、さらに患者腫瘍由来細胞株(Patient-derived cells; PDC)を樹立できた。現在各PDX腫瘍のエクソーム解析、RNAシーケンス解析を行っており、またプロテオーム解析の準備を進めている。また、並行してマウス肝臓癌細胞株2株の樹立に成功した。マウス肝臓癌細胞株については、化学療法の感受性に関与する分子を網羅的に捕捉するために、CRISPR-Cas9システムによるゲノムワイド機能スクリーニングを進めている。
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現在までの達成度 (区分) |
現在までの達成度 (区分)
2: おおむね順調に進展している
理由
現在までに肝臓癌6症例についてPDXモデルを作成し、このうち1症例においては、さらに患者腫瘍由来細胞株(Patient-derived cells; PDC)を樹立できた。PDXモデルの作成効率は10%程度で先行報告とほぼ同程度である。また、MC4R欠損マウスの肝臓癌組織から細胞株2株の樹立に成功し、エクソーム解析、トランスクリプトーム解析などオミクス解析を進めている。さらにこのマウス肝臓癌細胞株2株について、ソラフェニブ、レンバチニブに対する感受性解析を行ったところ、レンバチニブへの強い耐性を示したことから、Cas9発現株を樹立し、レンバチニブと合成致死を示す遺伝子の網羅的なスクリーニングを行っている。
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今後の研究の推進方策 |
PDXモデルの作成を継続するとともに、多層オミクス解析を完了する。特に細胞表面タンパク質分子に着目して新規治療標的候補分子を選択し、機能解析を行う。CRISPR-Cas9システムを用いた、レンバチニブと合成致死を示す遺伝子の網羅的なスクリーニングにおいては、興味深い遺伝子が複数同定できており、機能解析を進めていく。
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